不動産領域で事業拡大
12年から8社をM&A
株式会社第一ビルサービス
60周年の23年に売上200億円へ
ビルメンテナンスの第一ビルサービスを中核に事業会社16社とみどりホールディングスで構成する、みどりグループ。本業を柱に病院内給食や介護施設運営など多角化を進め、2012年から8社をM&A(合併買収)し、事業を拡大している。
主力のビルメンテナンスは管理棟数が2200棟を超え、創業以来継続して右肩上がり。ビル事業は中四国と九州地域で物件取得を進める。安定した管理収入と、積極的なM&Aでコロナ禍でも成長を続け、売上高は過去最高を更新し続けている。現在、社員数は1684人、21年6月期のグループ売上高は前年比11%増の133億円となった。
九州エリアへ進出
福岡県の総合建設会社「大和建設」を22年5月にM&A。1956年設立の従業員32人、売上高27億円規模の会社を承継した。過去最大規模の案件で、九州エリア進出の足掛かりとする。PFI事業への参入、地域インフラの再生事業の推進、九州地区で指定管理事業への参入を目指す。
みどりグループは中国四国エリアを中心に、ビルメンテナンスのほか、建設、管工事、商業施設運営など不動産関連事業を多角化。こうしたノウハウを九州でも生かしたいという。現在、40代の若手経営者の育成に力を入れており、杉川聡社長は、「『安定と成長』、『チーム力と個人力』をテーマに多くの方が働き、多くのお客さまに喜んでいただける企業づくりに努めたい。不安定な世の中で、個々の力が試される時代になってきている。それぞれが、前向きな気持ちを持ち、切磋琢磨しながら自らの力を高められるよう体制を整えます。時代の変化に恐れずに挑戦し、進化し続ける会社になりたい」と話す。
道の駅「西条のん太の酒蔵」など運営
指定管理では、22年7月から東広島市で新設の道の駅「西条のん太の酒蔵」を運営。敷地面積は3・5ヘクタール(平地部分)を有し、平屋に物販コーナーや飲食店テナントが入る。広島マリーナホップの運営で培った商業施設の運営ノウハウを生かし、イベントを開催などで盛り上げる。
このほか、19年から島根県江津市の温泉リゾート施設「風の国」を運営し、そこから車で約30分の場所にある、同県浜田市の「はまだお魚市場」(旧しまねお魚センター)も21年から指定管理者として運営。同施設はもともと、1993年度にお魚センターとして開業したが、経営不振で2019年5月に閉店。第一ビルサービスが商業棟などを整備して新たなにぎわいの創出拠点として生まれ変わらせている。
ビジネスホテル事業参入
こうした施設の運営ノウハウを生かし、ビジネスホテルのマネジメント事業に参入した。現在、高知市、加古川市、岩国市、山陽小野田市のビジネスホテルを運営し、今後も中四国のホテルマネジメント業務の請け負いを増やしたいという。中核のビルメンテナンス業にかかわる不動産領域で事業拡大を続けており、杉川社長は、「挑戦、進化を続ける『みどりグループ』として、23年の60周年にはグループ目標である売上高200億円達成を目指し、今後も広島を拠点に地元で愛され、信頼していただき、地域に貢献できる企業グループに邁進したい」と話す。
会社概要
株式会社第一ビルサービス
本 社:広島市中区大手町5-3-12
設 立:1963年7月
資 本 金:3000万円
売 上 高:61億251万円(グループ133億円、2021年6月期)
従業員数:818人(グループ1684人、2021年6月期)
事業内容:不動産総合サービス業
T E L:082-248-1601
U R L:https://www.midori-gr.com/daiichibs/
※2022年8月当時の情報です。