カキの取扱量で国内トップ
養殖・飲食に進出〝カキの総合メーカー〟へ 

クニヒロ株式会社

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 広島県は国内生産量の65%を占める日本一のカキの生産地。広島湾を中心に栄養豊かな瀬戸内の海を利用して、約350年前から養殖が行われている。その「広島かき」を中心に、年間のカキ取扱量日本一を誇るのがクニヒロだ。
 創業時は、生カキの産地問屋でスタート。1974年からカキの冷凍加工を始め、設備や品質管理のノウハウを蓄積してきた。カキの仕入れ先は広島産のほか北海道から九州まで全国30道府県。広島かきの端境期を含め、うま味が豊富な生カキを、季節を問わず調達できる体制を敷く。
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健康食や海外展開に意欲

 販路は主にスーパーマーケットと生協、飲食業界。インターネットやテレビで、カキやクルマエビの通信販売も手掛ける。川﨑育造社長は、「豊富に含まれる亜鉛などのミネラル成分に着目し、健康食品や医薬品の原料用途も開拓したい。カキは古代から世界各地で食べられてきた。近年はアジアで消費が拡大しており、海外にもチャンスはある」と意気込む。海外事業は過去に失敗も経験したが、組織を強化し再チャレンジしている。
 品質管理や食の安全・安心への取り組みにも熱心だ。ソフト面では、従来からの品質管理システムに加えて、高度な国際的食品安全管理システムFSSC22000の取得を進める。
 ハード面では94年に細菌検査棟を完成し、いち早くノロウイルスなどの自社検査体制を整えている。2018年3月には2億円を投じ、福山工場に冷凍トンネルフリーザーを増設し、冷凍カキ・スチームカキの製造設備を増強。鮮度や品質を保ちながら急速冷凍でき、冷凍加工能力を従来より1日最大10㌧増強した。
 また人手不足の解消や生産性の改善のため、省人化・ロボット化やAI、IоT、革新的生産設備の導入などの投資に力を入れる。
 低温超高圧設備を生かした、カキの新商品も開発中だ。積極的な設備投資を通じて、競合他社にはない高付加価値商品の発売を目指している。

養殖・水産加工や飲食に進出

 「水産」と「食」に関連する周辺事業への進出にも積極的だ。大崎上島で若手起業家と共同で、カキとクルマエビ、アサリの養殖事業にも進出し、将来の養殖業を担う若者を支援する。
 15年には愛媛県の水産加工会社をM&A(合併・買収)で子会社化。養殖鯛「瀬戸の春恋鯛」と天然ハモ「伊予灘の夕凪鱧」で、それぞれ出荷量日本一を目指している。
 「川上」の水産関連事業を拡大する一方、「川下」の飲食事業にも数年前から進出。シーフードに力を入れた「尾道WHARF」や「かき小屋 尾道店」などを出店し、海産物の食文化を提案する。
 経済産業省からは17年に「地域未来牽引企業」に認定された。取引や雇用、売上高などから地域経済への影響力が大きく、成長性が見込まれ、地域経済の中心的役割を果たす中堅企業が選ばれている。地元のカキを扱うほか、飲食事業も展開し、地域に根差したビジネスが評価された。目標は、オンリーワンの事業モデルを構築し「世界一のカキの総合メーカー」になること。海外事業や生産性のアップなどで次世代に向けチャレンジを続ける。

会社概要

クニヒロ株式会社
本  社:尾道市東尾道15-13
設  立:1970年7月
資本金:9000万円
売上高:100億円(2017年6月期)
従業員数:410人
事業内容:生カキをはじめとする生鮮魚介類の加工販売、
     冷凍食品・チルド食品の製造・販売
T E L:0848-46-3994
http://www.kunihiro-jp.com/

※2018年8月当時の情報です。

 

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