低温帯強みに地場総合食品卸の地域1番店を標ぼう
業務用開拓し向こう10年で売り上げ400億円構想描く

中村角株式会社

 水産加工品では国内有数の情報網、営業力を持つ。卸ならではのアンテナを利かせ、北海道~沖縄の地域の味と食文化を中四国・九州北部エリアに届ける。生産者の多くは中小規模。取扱品は賞味期限が短く温度管理が難しい上、多品種少量で地域性も強い。海産乾物卸として創業した70年余の業歴を強みに、淘汰の激しい食品業界で、地場総合食品卸の地域一番店を標ぼうする。
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低温卸の品質を強化

 中村一朗社長自ら産地に足を運び、実情を確かめる。北海道根室では、地元ならではの極上なサケのうまさに感嘆した一方、激減する漁獲量に産地の厳しさを実感。「一言でサケと言っても、産卵で戻った日本で獲れる秋鮭や回遊する時鮭など収穫の時期や場所で味はまったく違う。天然資源で成り立つ水産加工品は難しい面もあるが奥深さと面白さがある」。製品知識が営業の武器だ。
 現在、量販店向けを主力に外食産業、給食、医療・老健施設など約400社に3万アイテムを供給。常温食品は1品種1メーカー主義を採る一方、全体の8割を占める低温食品は仕入先もバラエティに富む。2017年秋には本社流通センターを増設し、冷凍庫も更新。チルドや冷蔵、冷凍品の温度帯環境を再整備し、低温卸の品質強化を図った。鮮度管理を極め、安全安心とおいしさを売る。

業務用で成長戦略描く

 全国卸の再編や量販店の業務提携が進む一方、地元スーパーも撤退や吸収合併が相次ぎ、事業環境は厳しい。中村角は、昭和50年頃に総売り上げの5割以上あった缶詰やインスタント食品などの常温食品を減らし、主力を低温食品に移す。市場を見極めた決断が競争力を生んだ。徹底した品質管理と豊富な品ぞろえ、企画提案力でマーケットに臨む。
 約10年前、中小規模の業務用に乗り出した。小回りの利く対応が求められ、大手では参入が難しい小ロット取引。開拓余地が十分あるとみた。外食産業や給食、弁当、病院や高齢者施設向けのほか、スーパーが力を入れている総菜向けにも伸びが期待される。小ロット取引に合わせ、仕分けや配達、在庫などの供給体制も整え、成果を挙げ始めている。現在、量販店向けなどの家庭用が売り上げの6割。省力化・機械化も図りながら、業務用を5割まで引き上げ、向こう10年で現在の1・5倍の売上高400億円を目指す。「業務用なくして売り上げ拡大はない。新商品やメニュー、食べ方などしっかり提案していきたい」と中村社長。無論、家庭用のシェア拡大にも努める。

地域が大事

 ニーズはあるはずなのに、マーケットにはない商品が必ずあるという。「ぶちうまい焼きそば」、缶詰「瀬戸内産小いわしのオイルサーディン」などに続き19年春、「日本蜜蜂のハチミツ」を発売。卸のアンテナで商品化した、いずれもPBの商品だ。パッケージは社員が考えた。付加価値のある差別化商品として売り場の魅力を高めている。
 小さなメーカーでも品質が良く、独自性があれば卸先を開拓。「地域に密着した食文化を支えたい。手間ひまを要するが、やりがいがあり、喜びにもなる。人としても成長する」と業務用を拡大する成長戦略にまい進する。毎日の食卓を地道に支える堅実な社風が根付いている。

会社概要

中村角株式会社
本 社:広島市西区草津港1-3-3
設 立:1948年11月
資本金:1億1950万円
売上高:270億2585万円(2019年3月期)
従業員数:164人
事業内容:加工水産物、加工食品・業務用食品の卸
T E L:082-501-2000
U R L:http://www.nakamurakaku.co.jp

※2019年8月当時の情報です。