月間売上が過去最高10億円超
巣ごもり需要で豆苗伸びる

村上農園

 スプラウト(発芽野菜)で全国トップの村上農園(佐伯区五日市中央、村上清貴社長)は巣ごもり需要などを受け、8月の売上高が過去最高の10億3700万円となった。月間10億円超えは初めて。5億円超を達成した2015年6月から倍増。20年12月期の単独売上高は前年比2%増の約110億円を見込み、2期連続で大台にのせる。
 大半の生産品目で出荷が堅調に推移し、特に主力商品の一つ豆とうみょう苗(エンドウの若菜)が急伸した。植物工場で生産するため、天候に左右されずに一年を通して出荷しており、安定した価格が強み。今夏の天候不順で野菜全般の価格が高騰し、豆苗を求める消費者が増えた。豆苗は調理に使わない根元部分を水に浸しておくと新しい芽が育つ。新型コロナ予防の外出自粛に伴い、自宅で手軽にできる家庭菜園としても注目されたという。ウェブサイト「豆苗研究会」で再生栽培のポイントを紹介するページへの訪問者数は、3〜8月に前年同期比約60%増えた。
 高成分野菜「ブロッコリー スーパースプラウト」などの高価格帯の商品と、豆苗などの低価格帯を両輪に据えることで、消費動向の変化や景気による落ち込みを防いでいることも奏功した。