[舗装工]

地場建設産業の担い手に聴く!15

vol.15 舗装工
寺道芳行さん
有限会社前平組 舗装工

―舗装工とはどういったことをするお仕事ですか。

 主に道路や橋、駐車場などの地盤面に、砂や砂利、砕石で基盤を作り、その上にアスファルトやコンクリートを平らに敷き固めて舗装する工事(舗装工事)に携わります。アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事などがあり、その中には新設工事や、打ち替え工事、復旧工事などもあります。また、駐車スペースやスロープなど、住宅周りの外構工事なども手掛けます。
 近年は、災害などによる道路復旧工事が多く、早期復旧が求められる国道2号や54号のような幹線道路などでは、まずは仮舗装工事を行い車両が通れるようにしています。その後、仮舗装の道路は撤去して、本舗装工事を行います。

―自己紹介をお願いします。

 現社長が同級生で、社長に誘われて業界入りし、今年で29年目です。現在は、仕事をしながら後輩を育てる立場にいます。
 舗装は、地域や場所、交通量によって何層も重ねて敷きます。本舗装か仮舗装か、主要道路か生活道路かなど、その道路にどれだけの強度が要求されるか、それによって、砕石敷きの厚み、路盤に入れる骨材の大きさや厚み、舗装の厚みなどが変わります。それを仕様書や指示書で確認しながら丁寧に施工していきます。
 砕石を敷いて、それをローラーで敷き均して、転圧して、求められた舗装の厚みにしていくわけですが、転圧した時に路面がどれくらい下がるか、路盤の状態などを考えて調整し作業します。転圧する際にローラーがどのように入るかによっても、仕上がりは全く違ってきます。路面の状態やローラーの入り方の判断、見極めは、長年の経験がないと難しく、経験の差がものを言う世界だと思います。
 自分も先輩から教えてもらいながら、技術を実地で覚え経験を積み、一通りの作業を任せてもらえるようになるまでに10年位かかりました。

―資格について教えてください。

 バックホウに乗るための車両系建設機械の運転資格や、ローラーに乗るための締固め用機械の資格は必須です。私も業界入りしたとき最初に取得しました。

―どのような時にやりがいを感じますか。

 ダンプは普通乗用車と違って足回りを硬くしていますから、ダンプの荷台を空にして道路を走ると路面の段差やデコボコなどの振動が直に伝わります。道路が完成して、荷台を空にしたダンプで新しい道路を通った時に、スーッとスムーズに走れた時の快感はたまらないです。その時の満足感や、何もないところからきれいな道路が出来上がった時の達成感と気持ち良さ。自分たちが造った道だという誇りと嬉しさ。それらが“やりがい”となり、次の仕事へのモチベーションにつながっていますね。
 建物周りの舗装工事や外構工事でも、それは同じです。構造物ができた後、最後に私たちの仕事が入るので、私たちの仕事が終わった時が建物の完成になります。その瞬間は本当に気持ちがいいものです。
 当社は、少人数で舗装工事などを手掛けていますが、特に仕上がり(品質)にこだわっています。「絶対に手を抜くな」と、入社した時から先代の会長や現社長に厳しく言われてきました。こうしたこともあり、当社では完成後の手直しはほとんどないのが誇りです。

―仕事に興味を持った方へのメッセージなどがあればお願いします。

 舗装工は、実際に仕事をしてみると“やりがい”がある職種です。先輩方のサポートを受けながら現場経験を積み重ねていくことで、必要な技術・知識なども身についていきます。夏場は暑いのでしっかり体調管理に努めないといけませんが、全国に道路がある限り、仕事が途切れることはありません。ぜひチャレンジしてほしいですね。

 

会社概要

有限会社前平組
所 在 地:広島市西区山田新町2丁目17-7
事業内容:舗装工事業
創  業:1973年4月

(2021年10月現在)

情報提供:広島商工会議所 産業・地域振興部 産業振興課