現場で活躍する 女性技術者・技能者特集vol.3

地場建設産業の担い手に聴く!


田中 凜さん
極東興和株式会社 技術本部 補修部 補修工事課

― どういったお仕事をされていますか。

 橋梁の新設や補修工事で、原価・工程・品質・安全面を考慮した現場づくり、施工状況の確認などを行っています。具体的には、現場で実際に橋を作る作業は職人さんたちが行い、私たちは現場監督として、職人さんに指示をしたり、原価や工程、品質の管理、安全管理、成果の記録などを行っています。土木施工管理技士2級資格を取得しており、現在1級資格の取得を目指しています。 



― 自己紹介をお願いします。

 大学卒業後に入社し、現在4年目です。これまでに工場(島根県・江津PC工場)、設計、橋梁工事(2現場)を経験しました。いずれも1~2年程度の期間でしたが、いろいろな経験をさせていただき、さまざまな角度から物事を考えていく重要性を学びました。

―建設業界を目指したきっかけを教えてください。

 以前からものづくりに興味があり、大学工学部へ進学しました。建設業界の中でも、道路・橋などを造る土木の仕事は、地図に残るものであり、多くの人がその道路や橋を利用するためすてきな仕事だなと思っていました。自身が手掛けたものが何十年も多くの人や社会の役に立ち続けることにあこがれを抱いて、学生時代はインターンシップや会社見学で、実際の仕事を見る機会も持たせてもらい、女性でも大丈夫と確信して当社に入社しました。 


―女性技術者はまだまだ少数だと思いますが、働きにくさなどはありませんか。

 男性と女性の違いを感じたのは、基礎体力面です。慣れていない人は、8時から17時まで屋外で働くだけでもかなり体力を使います。特に女性の場合は、体調などによってはきついと感じる場面もあります。でも、男性から女性差別を感じることはありませんでした。女性が増えてきていることもあってか、むしろ気遣ってくださる男性が多いです。設備面では少し不自由に感じることもありましたが、日焼け対策などは会社が万全の対策と準備をしてくれますから、夏の現場でも真っ黒に日焼けするなんてことはありません。外の空気を吸って、季節を感じながら働けるのはとても気持ちがいいなと思います。 

―どんな苦労がありますか。

 私たちの仕事は、「段取りが8割」という言葉を耳にします。職人さんたちが円滑に作業を進めるためには、私たちの準備・指示が的確である必要があります。現場に配置されたばかりの頃は、知らないことばかりで、自分で勉強したり、先輩方に教えていただいたりしながら、抜けやミスのないよう業務を進めていくことに苦労しました。苦労もありますが、知らないことが分かるようになることは楽しくもあり、自分の成長にもつながっていると感じます。慣れないうちは、自分の父親ほど年齢の離れた職人さんたちに対して、緊張から、なかなか自分からコミュニケーションをとりにくかったのですが、今では仕事を通して多くの方々と仲良くなれるこの仕事をとても楽しく思っています。 


―どのような時にやりがいを感じますか。

 様々な分野の方と力を合わせて工事を進め、事故なく一つのものを作り上げることで、大きな達成感を得ることができます。開通後、施工に携わった橋などを見に行ったり通ったりできるのはすごくうれしいです。

―建設業界に興味を持った方への

 メッセージなどがあればお願いします。 まだ土木に対して、現場はきついというイメージをお持ちの方もいると思いますが、今は女性も増えてきて、労働環境も良くなってきていますし、男性の職人さんも理解のある方が増えています。何よりも、とてもやりがいの大きい仕事です。心配しなくても、女性でも興味があれば、建設業界にどんどん入ってきていただきたいと思います。

 

会社概要

極東興和株式会社
所 在 地:広島市東区光町2-6-31
事業内容:プレストレストコンクリート構造物設計・施工
創  業:1948年3月

(2022年12月現在)

情報提供:広島商工会議所 産業・地域振興部 産業振興課