世界シェアトップを誇る
ポンプ・タービン専門メーカー
株式会社シンコー
100年企業へ社員一丸で挑戦
「ポンプ」「タービン」の専門メーカーとして、世界トップシェアを誇るシンコー。現在、主に4つの事業領域を持ち、①一般商船事業、②陸上プラント事業、③ガス船・基地事業、④海洋開発事業で成長を続ける。
こうした事業領域で開発したタービンやポンプは、全てに目の行き届く広島だけで生産。だが、その製品は国内のみならず、世界で活躍している。海外はバンコク、シンガポール、ドーハに支店を設置し、オランダ(アムステルダム)、中国(上海)に現地法人を設立。また、海外代理店との提携も進めるほか、自社でトレーニングしたエンジニアを配置し、手厚いアフターサービス体制を敷く。難しい依頼にも最大限に応じ、世界中どこでトラブルが起こっても飛んで行ける体制を整備する。
シンコーの製品は世界各地で高く評価され、原油タンカー用カーゴオイルポンプ・駆動用蒸気タービンの製造で世界シェア約8割。このほか、LNG専用船向けなどでも世界シェア約9割を占める。取引先との長い信頼関係で、特殊技術が必要な相談を受けることが多く、バイオマス用小型発電機や陸上用蒸気タービンなどにも広げてきた。
近年はIoTの開発に積極的で、顧客の発電プラントなどで使う陸用タービンの遠隔監視システム「IoTurbine」を運用。同社製のタービンに専用のシステムを取り付け、発電機出力や回転速度、圧力などをクラウド経由で情報収集。データの有効活用により、顧客の発電利益の極大化と、ライフサイクルコストの極小化につなげる。2023年には創業85周年を迎え、さらなる飛躍を目指している。
脱炭素社会に向けて
現在、世界では脱炭素社会に向けた取り組みが加速。シンコーでもエネルギー革命に備え新製品の開発に取り組んでいる。LNG荷揚げ用ポンプで培った技術力を活用し、世界初となる液化水素荷揚げ用ポンプの開発に成功。19年に液化水素運搬船に第一号機を納入した。未来のエネルギー輸送に貢献する。
シンコー・スピリット継承
シンコーの軌跡は、1938年に創業者の筒井留三さんが145平方㍍の小さな鋳造工場を7人の従業員と操業したことから始まった。その後、原子爆弾投下による甚大な被害、技術提携交渉の失敗、造船不況による経営悪化など、数々の逆境があったという。しかし、限界をつくらず、その度に社員一丸となって打ち勝ち、全国有数のメーカーになっていった。そして鋳造工程からアフターサービスまでの一貫したバリューチェーンを築き上げ、顧客優先の製品づくりに挑戦し続けた結果、現在の世界シェアにまで駆け上がってきた。
若手が活躍できる環境
先代たちのスピリットは現在のシンコーの社員たちにも引き継がれ、「世界で挑戦している会社で活躍したい」と夢を見て入社した人が多い。入社すると、適性を見てチャンスを与えられ、若手のうちから活躍できる環境がある。
「変化の激しい時代の中でも強いシンコーであり続けるために、当社は自分に限界を作らず、誠実で、高い志を持って自己研さんできる人財、挑戦することを止めない人財を求めています」
会社概要
株式会社シンコー
本 社:広島市南区大州5-7-21
創 業:1938年
資 本 金:1億円
売 上 高:290億円(2021年10月期)
従業員数:500人
事業内容:陸舶用各種ポンプ、LPG・LNGポンプ、陸舶用各種蒸気タービン、省エネ用発電機タービン、鋳鉄、銅合金、ステンレス鋼鋳造品
T E L:082-508-1000
U R L:http://www.shinkohir.co.jp/
※2022年8月当時の情報です。