〝感動セキュリティー〟の専門
教育に徹し成長続ける

手厚い処遇と環境整備で多様な人材が活躍

警備業界のディズニーランド

　商業施設の駐車場などで交通事故や渋滞が起こらないようにする交通誘導や、施設の安心・安全を維持するための施設警備など、警備全般を手掛ける。社員教育に力を入れ、顧客満足を追求することで企業規模を拡大。約２３０人の警備員が在籍し、設立から10年ほどで県内に約３００ある同業者でトップ10に入る規模となった。営業エリアを四国、関西に広げ、さらなる成長を続ける。
　警備の仕事を「サービス業」と捉え、独自の経営方針を掲げて差別化を進める。田中敏也社長は、
「目指すのは『警備業界のディズニーランド』です。安全を守るのは当たり前。笑顔でコミュニケーションを図り、礼儀やおもてなしの心を大切に『感動レベル』の満足度を追求します。だから人を育てることが大切です。社員と共に業界の先頭集団に立って会社そして業界を引っ張り、良くしていこうと伝えています」
　２０２１年に大阪事務所を開き、翌年は業務拡大に伴って姫路市の事務所を営業所に昇格した。関西地区で評価が高まっており、25年開催の大阪万博の警備にも参画予定だ。採用強化の一環で、24年6月には安佐南区西原に安佐南事業所を新設した。またクラウド型の業務管理システムを導入して社員の直行直帰を推進するなど、日々の業務改善にも継続して取り組んでいる。
　田中社長は広島県警備業協会の副会長と、広島県警備業協同組合の理事長を務め、自社だけではなく業界イメージの底上げに取り組んでいる。

健康経営で国内トップ５００

　人材採用、社員の働きやすい環境づくり、処遇改善には創業時から力を入れる。優秀な人材を一から育てようと、12年から業界に先駆けて新卒採用をスタート。22年は大企業に劣らない過去最高の19人が入社。継続して大卒社員を毎年受け入れている。特筆すべきは女性が多いことだ。女性の活躍推進を掲げ、女性比率は23年に10％を超え、国が課す一般事業主行動計画の目標７.５％を上回る。県の女性活躍推進モデル企業創出事業にも参画し、さらに働きやすい環境づくりを進める。
　障害者定着にも取り組む。社員の４.７％に当たる11人が在籍。社内に仕事や生活を支える専門相談員を置くほか、警備先の企業と掛け合い座って働けるようにするなど、それぞれに配慮する。24年1月には厚生労働省の「もにす認定」に選ばれた。「障害を理由に、働きたいのに働く場所がない、低賃金で働かされている実態に違和感があった。今後も活躍の場を増やしていきたい」
　健康経営にも力を入れ、国内の中小企業の上位企業５００社に当たる「健康経営優良法人・中小規模法人部門（ブライド５００）」に３年連続で選出。県内ではわずか18法人のうちの１社だ。独自の福利厚生も特長の一つ。子どもが増えるほど増額する手当て（子ども３人家庭の場合最大月６万円）など、子育て世代に配慮した職場づくりを進める。県内の警備業で唯一の「広島県働き方改革実践企業認定」を受けた。
「会社のためではなく、自身の成長のために働いてほしいと伝えています。警備業の大前提にあるのは無事故。社員の成長こそがお客さまの安心・安全となり、会社・業界の成長にもつながると考えています。警備のプロフェッショナルを育てたい」

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