くりーむパンでV字回復
食のイノベーションに挑戦

株式会社八天堂

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日本で一番大切にしたい会社に成長

 1933年、三原市で和菓子店として創業。その後、洋菓子店などを展開して、現・森光孝雅社長が97年に父親と共同で代表を務め、2006年に経営を引き継いだ。当時は、三原・尾道・西条などに13店のパン屋を展開するも、廃業の危機に直面。これをきっかけに、選択と集中で和・洋菓子、パンの技術を融合させた、冷やして食べる「くりーむパン」を開発した。09年、東京への進出を皮切りに国内外で販路開拓し、V字回復に成功。約10年連続で、売り上げは伸び、20年には過去最高を記録した。現在は約23店舗を展開するほか、海外にも進出。国内では、企業やキャラクターとコラボするアライアンス事業など、多様な取り組みをしている。

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100種類のパンから1つに集中 くりーむパンの誕生

 倒産の危機に面し、1種類の商品に絞る戦略に方向転換。スタンダードなパンと、スイーツを掛け合わせた商品の開発に着手し、〝冷やして食べる〟「くりーむパン」が誕生した。スイーツよりも手軽で、パンよりは豪華。口どけの良いクリームづくりと、できたてで届けることにこだわり、三原で製造したものを首都圏に空輸し、駅ナカを中心に展開する専門店で販売。手土産という新市場の開拓に成功した。

食と観光のテーマパークで 地域の活性化を目指す

 16年春に、同市本郷町の広島臨空産業団地の工場隣接地に体験型飲食施設「八天堂カフェリエ」をオープン。同施設では、くりーむパン作りやパン生地で雑貨を作る「パンデコ」体験ができ、休日は家族連れなどでにぎわう。「八天堂ビレッジ」として展開を拡大する同敷地内に、今後も自然を生かした体験型のエリア建設を計画。空港に近い好立地を生かし、県内外から観光客を呼び込み、認知度の向上と農福一体の食のテーマパークとして地域の活性化を目指す。

食文化を自ら創り出す 挑戦する人を応援する社風

 森光社長が掲げる信条は「八天堂は社員のために お品はお客様のために 利益は未来のために」。スイーツの会社と聞くと、柔らかさや優しさのある社員が多いとイメージされがちだが、求める人物像は自ら食文化を開拓していく、チャレンジ精神のある人だ。平均年齢は30歳で、若手らが中心となり新規事業に取り組む。20年10月に八天堂ビレッジ内に開店した「空の駅オーチャード」は28歳の社員が店長を任されている。農産物とのコラボ商品や地域の特産品などを販売し、地域農家と企業などをつなぐハブ拠点を目指す。同年12月には、同敷地内に新工場「天空ファクトリー」が稼働。くりーむパンに続く、新たな柱となる商品開発や一般消費者向けのEC対応を強化する。小さなことでもやってみる、そして挑戦して失敗したとしても、それを応援してくれる社風と社員らは口をそろえる。19年には人を大切にする経営学会主催の「日本で一番大切にしたい会社」で審査委員会特別賞を受賞。森光社長は、「『良い品良い人良い会社つくり』を経営理念に掲げ、あなたと出会えて良かったと言ってもらえるような人財を育て、当社の商品で世界中の人に喜んでもらいたい」と思いを込める。

会社概要

株式会社八天堂(はってんどう)
本  社:広島県三原市宮浦3丁目31-7
設  立:1933年
資本金:1,000万円
売 上 高:21.4億円(2020年5月)
従業員数:180人(2021年5月時点)
事業内容:くりーむパンを柱としたスイーツパン専門店
T E L:084-862-2645
U R L:https://hattendo.jp/

※2021年8月現在の情報です。