住生活事業で地場トップ級
ビジョン『モアチャレンジ、モアスマイル』

広島で最高の住まいを、新事業にも挑戦

　住まいの企画から設計、施工、販売、アフターサービス、リフォーム、街づくりまで暮らしに関わる事業全般を担うトータテグループ。創業60年を超え、現在は12社が連携する。
　２０２３年９月に顧客の生涯価値を高めるためのサポートサービス「トータテオーナーズクラブ」を開設。スマホアプリで住まいのメンテナンスや困りごとの相談などを解決するほか、日々の暮らしに役立つ情報を発信するなど顧客に寄り添う体制を整える。24年３月には各社の広報活動を担うトータテグループ「スマイル広報部長」に元ＲＣＣアナウンサー河村綾奈さんを起用した。
　社員のやりがいや働きやすさ向上を目指す「トータテいきいきプロジェクト」も始動。グループの垣根を越えて社内課題の解決を目指す取り組みで、川西亮平社長は、「各社から志願したメンバーが集まり、活発な意見交換の場となっています。経営ビジョン『モアチェレンジ、モアスマイル』の精神で、新たな価値を創造してほしい」と話す。

生活様式に合わせた提案

　消費者のライフスタイルに合わせた多様なプランの提案に力を入れているトータテハウジングは22年６月、広島市北西部の大型住宅団地「西風新都セントラルシティこころ」の開発と分譲を手掛けてきた西広島開発を子会社化。さまざまなスタイルのモデルハウスの展開やイベントを企画し、新築分譲戸建ての販売を強める。
　注文住宅事業ではハウスメーカースタートアップのマイホム（東京）の広島エリア加盟店となり、24年2月に木造住宅で最高天井高２.９㍍を確保したプリフィックス注文住宅「ＰｌｕｓＭｅ」を発売。〝世界最高の住宅をすべての人に〟をコンセプトに耐震最高等級３のほか、省エネ性能も30年度に引き上げられる目標基準をクリアする。９月には広島エリアで初となるモデルハウスをこころ団地内に公開予定。マンション事業は23年に分譲開始の「ベルズ戸坂パークアヴェニュー」が24年8月に完成した。創業60周年を記念したプロジェクトで、時代に合わせた間取りプランを採用するなど、顧客の要望に柔軟に応えている。
　トータテリフォームセンターは24年1月、そごう広島店９階にショールーム「ＴＯＴＡＴＥリノベスタジオ」を改装オープン。上質なキッチンやトイレの展示数を増やして設備を比較・体験できるほか、グループならではの住まい全般の相談もできる空間とした。現実と仮想世界を重ねる複合現実（ＭＲ）技術を使うモデルルーム見学サービスも開始。写真や動画よりもリアルなコンテンツを提供し、現地に行くことなく理想の住まいづくりを後押しする。

ユニークな分野にも挑戦

　住まい以外の事業にも挑戦している。子会社でアプリ開発などのＲｏｏｔ（神奈川）は、県内の５農園と連携して農作物の生育過程を観察できたり、現地で農業体験を楽しめるスマホアプリ「Ｅｃａｌｏ（えかろー）ひろしま」を配信する。旬の農作物の定期配送やライブチャットのほか、現地で農家と交流できる有料会員制度もあり、収穫体験イベントなども定期的に開催する。川西社長は、「『作る人』とつながることで『食べること』の大切さを感じてもらえたらうれしい。農園の収益力向上の支援にも貢献しながら、これからも暮らしをより豊かにする取り組みに挑戦したい」と意気込む。

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