35期連続黒字の安定経営
若手発案システムが好調

株式会社ハイエレコン

動画をリクエストする

先行投資開発、〝人財〟 育成、働き方改革に力


 企業・官公庁向けに業務システムの受託開発やパッケージソフトの開発・販売を手掛ける。情報サービス分野で最新の技術を持つ企業として各方面から評価を受け、バブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍などの荒波にさらされる中でも、35期連続黒字(2022年3月期)という安定した経営を続ける。21年4月からの新中期計画(positive・25)では、従来以上の積極的な開発や〝人財〟育成に注力する方針だ。

  • 株式会社ハイエレコン
  • 株式会社ハイエレコン
  • 株式会社ハイエレコン
  • 株式会社ハイエレコン
  • 株式会社ハイエレコン
  • 株式会社ハイエレコン

若手の挑戦を後押し

 親会社のいない独立系で、自由にさまざまなことにチャレンジできる社風があるという。AI、IoT、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの技術を用いたビジネス創出を目的に、19年に「DXビジネス部」を立ち上げた。20年には若手の発案でICタグ「RFID」を活用した備品管理パッ ケージ「タグ衛門」を開発し、導入先の業務効率化を支援している。計量器と連動させて計量業務を管理・ 効率化するシステムや図面管理など次々と新しいシステムやパッケージの開発を進める。

 上田康博社長は、「経験の有無にかかわらず、情熱があれば背中を押します。ビジネスの立ち上げや大きなプロジェクトに携わることで得られる達成感を一人でも多くの社員に味わってほしい」と話す。

社員が大株主

 社員が毎月一定の金額を拠出し、共同で自社株を買う「従業員持株制度」を1997年に導入。9割の社員が株を保有し、全株式の半数近くを従業員持ち株会が占める。持株会の奨励金付与率は 20%と国内トップ級で、会社の業績が上がれば手当を支給し、モチベーションの向上につながっている。業績に応じた社員旅行も好評で、コロナ前の2020年1月には200人で沖縄へ。社員同士の交流の場として機能している。

働き方改革を推進

 18年にワーキンググループを立ち上げ、現場の声を基にさまざまな社内制度を見直した。仕事の成果だけを対象としていた人事評価制度を全 面的に見直し、調整力、チャレンジ思考などの10項目をベースに、仕事の姿勢や取り組み方(プロセス)も考慮した方法に変えた。1時間単位の有休制度の導入や年休推奨日も設定し、有給休暇取得を推進。産休・育休などの制度も整え、近年は女性技術者らが活躍の場を広げている。

 新入社員・幹部候補などの成長段階別、専門性を高めるための職種別で研修を整備。本人の希望や適正に応じて成長できる環境をつくる。メ ンタルヘルスケアやマネジメント能力向上を狙い、21年にEQ(心の知能指数)を取り入れた全社員対象の能力開発研修も始めた。22年4月には給与制度を見直し、役職手当の支給額アップなどを行った。若手社員が上位の役職を目指したいと思える仕組みづくりをいっそう進める。

提案型で価値あるサービス

 社是「誠意をもって社会の信頼に応える」、社訓「社員は能力を高め、仕事の場で自己を実現する」を胸に、社員・会社の成長と同時に社会貢献も目指す。「納入済みシステムの更新を依頼していただくことは多いが、更新だけでは真に顧客の役に立てない。営業・システム部門ともに、顧客の課題をきちんと聴き、理解し、解決するためには何が必要か考え続けることが重要。新技術も積極的に取り入れ、〝提案型〟でワンランク上のサービスを提供したい



会社概要

株式会社ハイエレコン
本  社:広島市⻄区草津新町1-21-35広島ミクシスビル
設  立:1982年6月
資 本 金:9000万円
売 上 高:56億2000万円(2022年3月期)
従業員数:254人
事業内容:システムインテグレーション・ネットワークインテグレーション事業
T E L:082-279-8001
U R L:https://www.hek.co.jp
※2022年8月当時の情報です。