街づくりに挑戦 価値生む解体実績

株式会社桑原組

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再生~創造~暮らし~集う好循環へ

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 原点は戦後広島の復興。業歴60年以上となる総合解体工事業を柱に、街がよみがえり、生まれ変わる起点を担う。1万棟以上の施工実績が実績を呼び、広島市中心部で進む再開発関連にも出番が待たれる。解体を軸に、家づくりやリノベーションなどへも事業領域を広げ、名実ともに街づくり企業を目指す基盤固めを着々と進めている。

自由な発想で領域拡大

 解体を軸に土壌汚染やアスベストなどの環境リスク対策~不動産活用を一貫して行う「ワンストップ土地更地化サービス」(商標登録済)を確立。解体工事のブランド化を図った。桑原社長は、「自ら機会を創り出し、その機会によって自らを変えよ」を座右の銘に業界に新風を吹き込む。2017年にはFC加盟で「無印良品の家」事業をスタート。住宅建設に参入した。引き合いも含め累計42棟(22年6月)、加盟店中トップクラスだ。宅地分譲や賃貸事業、空き家管理サービスも手掛けている。

 街づくりを成長戦略のエンジンに据え、再生(解体やリノベーションなど)~創造(家づくりや土地の利用開発など)~暮らし(飲食店や健康・介護関連など)~集う(U・Ⅰターン支援や宿泊施設など)を好循環させるビジネスモデルの構築を目指す。

再開発に照準

 22年6月、中国地方で初めてコベルコ建機製の大型建物解体専用機「SK1300DLC」を導入。最長作業高さ約40㍍のロングアタッチメントを装備し、地上から14階ビルを解体できる。市街地では解体機を屋上につり上げて階上施工する現場も多く、その技を磨いてきたが、地上からアプローチすることで安全性と生産性を共に向上。広島駅周辺と紙屋町・八丁堀を東西の核に楕円形の都心づくりが進み、都市再生緊急整備地域指定の広島市内中心部では再開発計画が次々に浮上。建造物の高層化や大型化、強度などに対応できる最新機もそろえ出番に備える。

 施工実績は中国地区で大型商業施設やオフィスビル、官公庁、電力系、医療施設、半導体工場など。解体では珍しい品質基準ISO9001や労働安全衛生マネジメントシステムISO45001を取得し、一級施工管理技士(建築・土木)などの資格者も多い。スーパーゼネコン5社などから受託する一方、元請け工事も実績を積む方針だ。

価値を生み続ける

 4代目桑原社長はリーマンショック前後の最も厳しい業績を引き受け、社内改革を決行、やりがいのある風通しのよい職場づくりを推し進めた。今では、ホームページを経由して入社希望した女性も活躍している。薫風心地良い5月、取引先を主対象に国際便チャーター機で日本列島を遊覧。コロナ禍をぶっとばし、一歩踏み出す心意気を高めてもらおうとの企画だが、ビジネスモデルの一翼の”集い”に通じる試みだ。

 「過去の歩みを尊重しながら新しい価値を創造し続け、今ない当たり前をつくる」と桑原社長。リノベ事業は20年以上扱う3M社機能材フィルムに端を発する。フィルム貼り替えを契機とするオフィス空間のリノベ事業で不動産の資産価値を高める。発想を働かせ、需要を生み出している一例だ。大型解体がけん引し、22年11月期は初の売上高30億円が見えてきた。街づくりへビジョン実現への通過点として、たゆみない価値創造の歩みを続ける。

会社概要

株式会社桑原組
本  社:広島市西区己斐本町3-17-24
設  立:1965年12月17日(創業1958年10月)
資 本 金:3000万円
売 上 高:21億8600万円(2021年11月期)
従業員数:53人
事業内容:総合建物解体工事、環境リスク対策工事、無印良品の家、販売、建築、不動産売買・仲介・開発、リノベーション
T E L:082-272-6006
U R L:http://www.kuwaharagumi.co.jp
※2022年8月当時の情報です。