国際貿易DXを推進
プラットフォーマーで実績
経産省の促進事業に採択

株式会社ムロオシステムズ

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呉市発、東京進出を経て世界へ

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 2006年に呉市で創業したムロオシステムズは事業拡大に伴い、13年に東京へ本社を移転し、現在は海外にもフィールドを広げている。国際貿易DXなどが成長し、24年3月期売上高は20億円を突破した。
 国際貿易プラットフォームの自社運営は、20年度に中国―豪州間で始めた。ブロックチェーン型のデータベースを用い、両国間の製品のサプライチェーン管理や輸出入事務の代行、代金支払いまでを一元管理する。通常のシステム会社と違い、アマゾンなど米国IT大手のようにサービス基盤の構築と運用を自社で担う「プラットフォーマー」として実績を積んできた。これらが評価され、23年10月にはプラットフォームの利用拡大による国内企業の貿易振興や手続き効率化、コスト削減などを目的とする経済産業省主催の「貿易投資促進事業費補助金」に採択された。潘忠信社長は「既存のムロオシステムズ国際貿易プラットフォームを改修し、貿易における業務効率化やデジタル化をさらに最適化する予定です。そして、日本の国際貿易拡大に貢献します」と熱意を語る。
 国内の顧客を対象としたDX導入支援では物流の効率化システム、携帯端末を使ったPOSレジ、教育施設向けアクティブラーニングや総合学事システムを手掛ける。流通業のQR決済サービス「MSPS」は導入先が5万店あり、高い評価を得ている。さまざまな業界向けにカスタマイズしたソリューションの提供が強みだ。24年1月にはシステムエンジニアリングとITコンサルを提供する新会社を設立した。

世界に羽ばたく人材求む

 海外では19年に始めた金融大手SBIグループ向けブロックチェーンデータセンター事業をきっかけに、順調に軌道に乗せている。同事業は顧客のデータを分散的に共有・記録(ブロックチェーン)することで改ざんを防ぎ、透明性を実現する。19年5月に香港の100%子会社が51%出資し、キルギス共和国の有力企業と合弁会社を設立。12月に自前のデータセンターを完成した。60㍋㍗設計で当時は中央アジア最大級。
 また、同国で水力発電所の建設プロジェクトを計画している。例えばデータセンターの電力を自社発電所の再生可能エネルギーで賄うなど、電力開発とデータセンターを総合的に手掛ける考えだ。エチオピアでもデータセンターの運営を構想する。
 さらには中央アジアへの国際協力を念頭に、山の斜面を網目状の鉄製線材で覆うことで落石などを防ぐ「防災用ワイヤーメッシュ」事業もキルギスで計画。システム会社の強みを生かし、落石などを検知して道路のゲート表示板で通行車両へ危険を通知するとともに、監視センターで把握する。現地のゼネコンと協力しながらインフラ整備に貢献していく。このほか中国ではビッグデータ処理・解析事業などを手掛けている。
 ムロオシステムズは物流地場大手のムロオ(呉市)の100%出資で06年に設立し、12年に鷗州塾運営のAICエデュケーションが第三者割当増資を引き受けた。19年のSBIグループとの取引開始に当たって事業と資本の再編成を図り、現在は潘社長が全株を取得。海外企業は連結対象外。潘社長は「広島から東京へ、そして世界へと羽ばたく人材を求めています。将来の持続可能な社会実現に向け、環境と経済の好循環を志向する企業を目指したい」と話す。



会社概要

株式会社ムロオシステムズ
本  社:東京都中央区日本橋本町4-15-1(呉市発祥)
広島支店:呉市中央1-6-9
設  立:2006年6月
資 本 金:5000万円
売 上 高:21億130万円(2024年3月期単体)
     非連結の海外関連会社を含めると約45億円
従業員数:27人(単体)
役  員:取締役会長・山下俊夫(ムロオ代表取締役会長)、取締役相談役・白神晶幸、取締役・丸野雅弘(AICエデュケーション常務取締役)、監査役・山下俊一郎(ムロオ代表取締役社長)
事業内容:ビジュアルコミュニケーションを核としたクラウドサービス運営事業、物流ソリューション、流通システムソフトウェアの企画・開発・販売・保守、モバイル決済・アクワイアラー業務、ブロックチェーン技術を使った研究・運用等、日本・中国間専用回線サービス事業など
T E L:03-6892-0550
U R L:https://www.muroosystems.com/
※2024年9月当時の情報です。