経常収益最高、20期連続増収
好業績で初任給上昇、資格手当を増加

広島市信用組合

 広島市信用組合(山本明弘理事長)は2023年3月期決算で売上高に当たる経常収益が前期比5.7%増の186億9900万円と過去最高になり、20期連続の増収となった。本業の収益を示すコア業務純益、経常利益、当期純利益もそれぞれ過去最高を更新した。好業績を受け4月から、4大卒を5000円上げ23万円にするなど初任給を引き上げ。同月に資格手当1万2000円を退職金に反映される基本給への振り替えに加え、資格手当も引き上げた。
 23年3月期は預金が1年間で388億円伸び期末残高は8416億円、貸出金残高は755億円増え7798億円になった。貸出金増加に伴う貸出金利息収入の増加で増収となり、コア業務純益は前期比8.2%増の119億5400万円、経常利益は6.3%増の66億3600万円、純利益は2.7%増の46億5000万円の増収増益に。バルクセール(まとめ売り)による不良債権の早期オフバランス、将来に備えて引当金を繰り入れたことで、与信費用は7.4%増の50億800万円で、今期は48億円を見込む。不良債権比率は0.18㌽減の1.55%、自己資本比率は0.31㌽増の10.38%だった。今期は経常収益192億6400万円と21期連続増収、経常利益70億4200万円、純利益49億2300万円の増収増益を予想する。
 初任給は4月から短大卒、高卒も各5000円上げ、20万円、19万円にした。別途に得意先係は外勤手当3万円、実家から通勤困難な単身者は住宅手当1万5000円を支給する。資格手当は昨年10月に23歳を1000円、24〜55歳を2000円上げ、今年も1月に25歳を1000円、26〜55歳を2000円上げ、4月には18〜59歳5000円、60〜64歳を2500円引き上げた。手当の基本給組み入れは2月にも1万5000円振り替えており、13年7月以降で累計11万2000円となった。山本理事長は「手当の基本給への振り替えで、職員の退職金(65歳定年)は705万円上乗せになる。好業績のおかげで待遇改善もできている」と話している。