備後地区への新設店舗を検討

広島市信用組合

向洋、大河、戸坂支店など新築移転構想も

 広島市信用組合(山本明弘理事長)は、三原市、尾道市、福山市など備後地区への支店新設の検討を始めた。2014年の東雲支店(南区)以降、賃借物件を中心に支店の新築移転を進め、25年は南支店(南区)が9月オープン、鷹の橋支店(中区)が1月着工、12月オープン予定で、残る古江支店(西区)も26年度の新築移転を目指している。支店新設や移転新築前に他店の支店長や職員が応援参加する預金・貸出金のローラー活動が業績向上の要因となっている。18年に新設した広支店(呉市)の貸出金残高は500億円近くになっており、新設店舗の検討を本格化させる。向洋、大河、戸坂などの支店の新築移転構想もある。

 広支店は2階建て延べ527平方㍍を新築。24年12月末の貸出金残高は485億円と本店、堺町支店に次ぐ3番目の規模になった。預金残高も333億円と伸びている。新設店舗が貸出金増加をけん引しており、広島市や呉市などを含め県内での新設店舗の検討を行い、不動産会社を通じ、備後地区の新設店舗の場所探しを行っている。市信用は現在、合併前の旧広島第一信用組合本店だった竹原支店が最も西の店舗。営業エリアは19年に県全域に拡大したものの、支店が県西部に集まっており、特に備後地区で用地探しを本格化させる。
 支店の新築移転は東雲支店のほか、16年に可部支店、17年に宮内支店、20年に駅前支店(現在地)、22年に己斐支店、23年に海田支店、五日市支店、24年に府中支店、薬研堀支店で行った。開店前ローラー活動は各支店で19回延べ500人〜30回1000人と大規模で、開店当日の来店数は974〜1850人。24年11月に移転新築開店した薬研堀支店も20回延べ498人がローラー活動を行い、開店日は913人が来店した。
 支店内装のリニューアルは全店舗で行い、外観はテナント店舗の鷹の橋支店と古江支店以外の全店で行ってきた。山本理事長は「利便性の良い場所があれば、新築移転を考えたい。それをきっかけにしたローラー活動が業績向上の要因になっており、江波支店、出島支店も含め検討している」と話している。

「広島経済レポート」2025年1月16日号掲載記事より