Vol.3 株式会社八城工業
~ 地元企業5社を大学生がインタビュー ~

◆◇◆「東広島ではたらこっか」東広島市学生インタビュー企画【2024】◆◇◆

株式会社八城工業|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~

 学生が地元経営者をインタビューすることで、地域で輝く企業に目を向け、思考を深め、広島での就職意識を高めてもらうプロジェクト。県内外の大学生が2023年の夏、東広島市の企業を訪問し、インタビューしました。
 第3回は、50年以上にわたり自動車・建設機械の部品製造を手掛ける株式会社八城工業。八城 祐社長に、ものづくりへの意識、社員との対話で心掛けていることなどを聞きました。

株式会社八城工業|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~代表取締役 八城 祐 氏
― 事業内容は。  自動車や建設機械の骨格となる鉄製部品の製造・組み立てを手掛けています。県内4、タイ1の5社でつくる八城グループの中核企業です。

― ものづくりで意識することは。  重い部品を扱うので、社員の安全が第一です。具体的には防護服の着用や安全装置の導入、安全に関する資格取得の促進などを行っており、安全対策にやり過ぎということはないと思っています。
 しかし人間が作業するわけですから、不注意などが原因の災害をゼロにすることは難しい。当社では危険の芽をなるべく摘むために安全・衛生委員会を設置して、現場社員の気付きや指摘を吸い上げる取り組みを続けています。

― 製造業の自動化に対する考えは。

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 人手不足が深刻化する中で、自動化や機械化が進むのは自然な流れでしょう。しかし、人間の経験や勘が必要な仕事も多くあると考えています。また効率化のための設備投資で製品価格が上がってしまっては本末転倒です。重要なのは全てを自動化するのではなく、何を機械に任せるかを人が考えること。よりよい製品を作るためにトライアンドエラーを繰り返し、最終的な判断を下すのは人間にしかできない役割です。

株式会社八城工業|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
― 東広島市とのつながりについて。  祖父が創業した黒瀬町で、今まで事業を続けてこられたことに感謝したい。製造業なので夜間操業することがありますが、これは地域の方に理解してもらってこそです。例えば神社の保全や、雨による災害が起きた際には寄付という形でその気持ちを示しています。


― 社長になって感じたことは。

株式会社八城工業|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
 一番は社員の存在のありがたさです。就任当初は責任の大きさから、自分を見失うこともありました。「社長は全ての仕事を完璧に実行する使命がある」と思い込み、ミスをした部下を厳しく叱っていました。当時の社員はきっと皆、私と距離を置いていたと思います。
 しかし私は工場での経験が乏しく、代わりに作業することはできません。会社を回しているのは現場で働く社員です。それに気付いてからは社員へ積極的に話しかけ、一人一人を気にかけるようにしています。今の私の使命は「社員が安全で働きやすい会社づくり」です。働く環境について社員が意見を出してくれると、例えネガティブな内容だったとしても、とてもうれしく感じます。

株式会社八城工業|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
― 社員との対話で意識することは。  タイで仕事をした経験があるので、国籍や性別、経歴などで人を判断するのではなく、フラットな目線で社員が言っていることが正しいかどうか見極めるようにしています。
 新入社員と面談するのも私です。入社すぐの段階では、まだ本音を言えないこともあるでしょうから、上司や先輩を挟まずに自分で彼らの様子を確認しています。中小企業だからこそできることですね。
 皆さんのような若者は金の卵です。これから多くの経験を積んでほしいし、積ませてあげたい。しかし会社には、これまで支えてくれたベテラン社員もいます。どちらかを優遇するわけにはいきません。全ての社員を大切にし、しっかり意見に耳を傾けていくつもりです。

― 求める社員像は。  他者を尊重できる人です。会社は老若男女さまざまな人で成立しているので、円滑なコミュニケーションがとれることや協調性を重視します。ものづくり企業では効率の良さを追求する側面もあるのですが、日々の業務で最も大事なのは安定的な生産。なので、周りをよく見てトラブルやミスを防いでくれる社員がいると非常に助かります。

株式会社八城工業|東広島ではたらこっか~大学生が地元の企業5社をインタビュー~
― 若者へのメッセージ。  誰しも働く目的があると思います。仕事を通じて自分を成長させたいという人もいれば、お金を稼いで自由に生きたい人もいます。どちらも立派な考え方です。
 ただ将来、自分の目的とはかけ離れた仕事をすることも多々あります。思い描いたままの働き方ができる人は、ほんのわずかでしょう。そのような時に大切なのが、意識の切り替えです。無理に状況を打開しようと思っても簡単にはいきません。変えられるのは自分の心です。与えられた環境で「これをやる」と決めて努力していくことが、結果的に理想を実現するための近道なのです。

代表取締役 / 八城 祐 氏 1979年12月22日生まれ、東広島市出身。中央大学理工学部を卒業後、株式会社大塚商会でSE職を経験。2005年に八城工業に入社。常務、専務、タイ駐在を経て17年より現職。



私たちがインタビューしました

インタビューを進める中で、地域と人とのつながりにこだわり続ける社長の思いに感銘を受けました。ものづくりにおける安全確保への責任感も強く、勉強になります。 川合 陵介(広島大学3年)

社長という立場ならではの悩みや考え方を聞くことができ、トップとして働く重みを感じられました。意識を切り替えるという言葉を忘れず、どのような場面でも強い決意を持って努力していきます。 中野 太晴(広島工業大学1年)

取材日:2023年9月

会社概要

株式会社八城工業
所在地:東広島市黒瀬町市飯田334
設 立:1969年
資本金:3000万円
TEL:0823-82-2469
URL:https://yashiro-ind.co.jp/
事業内容:自動車・建設機械の部品製造、組立など
※2023年9月当時の情報です。