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食品卸 調味料・弁当・漬物 ほか

調味料・弁当・漬物ほか:
「中食」需要高まる 健康志向商品に注目

 コロナによる飲食店の休業などを受け、外食向け商材などを扱う多くの企業が影響を受けた。一方、外出自粛やテレワークの浸透で、調理済み食品を家で食べる「中食」や家で素材から調理して食べる「内食」の需要が高まった。各社がさまざまな方法で需要喚起に取り組む中、餃子皮メーカーの井辻食産は2020年12月、冷凍餃子を販売する無人直売所を広島市中区にオープン。冷凍ずしのポストごはんの里は冷凍の豚・牛丼を開発し、一般市場に参入した。
 運動不足などから、健康志向商品にも注目が集まる。オタフクソースは初の機能性表示食品となるお好みソース、川中醤油は看板商品の減塩タイプを発売。広島駅弁当は広島大学未病・予防医科学共創研究所と機能性弁当を共同開発し、高齢者向け在宅配食などで扱う。あじかんが19年に機能性表示食品としてリニューアルしたごぼう茶は定期購入者が増えた。  21年6月、全ての食品事業者に対して衛生管理の国際基準「HACCP」に基づく衛生管理が完全義務化された。輸出時に有利になるISO(国際標準化機構)22000などの取得に向け、多くの企業が取り組む。

食品卸:
コロナ反映し外食と内食で明暗
物流高騰、仕入れや配送に協力

 広島商圏は量販店出店増や再開 発関連などをにらみ県外や全国大手の卸が参入。地場卸と一部競合も激しい。コロナ禍で依然飲食 店や居酒屋、レストラン、ホテル向けなど業務用が厳しい一方、量販店向けなどは地域密着の小型 スーパーが巣ごもりや在宅勤務を受け好調。堅調な病院、介護施設 向け市場は新規参入で競争激化。
 過去にない厳しい事業環境に一部の業務用ではネット活用や青果・魚・肉の卸が手を組みミールキット販売などBtoC参入に活路を見いだそうとしている。扱い量とコスト対策に物流の協力体制 を模索する動きも。物流合理化の 実践がこれまで以上に試されてい る。地場は小回りが利く強みと生鮮品など大手が扱いにくい小口取引を強める一方、メーカー機能を高めてPB商品を供給。地域の食文化を支える。アフターコロナに備えマーケット動向にアンテナを張る一方、コロナ禍を契機としたチャレンジが今後を占いそう。
 大手量販店の直接仕入など流通形態の多様化などで市場経由が減少傾向。中央市場の20年青果取扱高はピーク時02年比78%の11万2247㌧。契約農家先を開拓し産直仕入れや相対取引が増。