食品パッケージ卸で地場最大手
SDGs、エコ対応品を拡販

株式会社シンギ

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社会に必要とされ続ける100年企業へ

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 食品パッケージを扱い全国に15営業所と3つの物流センターを持つ地場最大手。素材・形状・デザインの異なる20万種類の中から最適な容器を提案し、豊かな食生活や食品流通を支える。全国の駅弁事業者や興行施設などに商品を卸しており、業界内での知名度も高い。

 元々はメーカーとして創業し、一時期は商社色が強かったが、今は再びメーカー機能が大きくなりつつある。仕入れて売るだけではなく、社内デザイナーが連携し、オリジナルパッケージの企画から手掛けることも多い。21年に広島の物流センターを拡張し、物流強化も図る。ニーズが多様化する中、豊富な専門知識と提案力が求められ、社員の能力向上に注力。eラーニングや社外研修などを自主的に受けられる体制を整える。民間資格の包装管理士や、HACCPコーディネーターの取得も推奨し、提案力の向上につなげている。

環境配慮への取り組み

 近年は海洋プラスチックごみやフードロスの問題を受け、環境に優しい商材の提案に注力。サトウキビの搾りカスから作るバガスを原料に使う容器や、使用後にリサイクルしやすいものなどエコ製品の品ぞろえを充実し、フードロスの削減につながる製品など、高付加価値な提案を行う。20年に兵庫県と広島県にある紙器製造工場2社を譲受し、需要が高まる紙製品の生産体制を強化。SDGs(持続的な開発目標)の機運の高まりもあり、関連商材の売り上げを伸ばしている。

 22年4月には福井県のボトル容器製造会社を承継。同社は樹脂を風船のように膨らませて容器を造るブロー成形を得意とし、同様のメーカーは国内で珍しい。

 新事業にも積極的だ。21年5月から、食品のおいしさをそのまま閉じこめる特殊凍結機の販売を開始。営業拠点など全国6カ所にテストルームを設けた。加えて、22 年からは冷凍食品の取り扱いも開始。今後、冷凍食品の販路拡大に向けた事業も計画する。

従業員満足度は8割強

 自己革新を進め、優れた経営の仕組みを持つ企業を表彰する日本経営品質賞委員会「経営革新推進賞」を受賞した。毎年6月の経営方針発表会では、田中友啓社長のほか、事業・プロジェクトごとに目標を発表し、部署を横断して事業の方向性を確認。20年からはオンラインを活用し全社員が参加して実施する。

 毎年行う従業員意識調査では、95%以上の社員が経営理念の達成に積極的に参加したい、84%以上がシンギで働くことに満足と回答。定時退社を推奨し、福利厚生の一環でがん保険制度や、40歳以上の社員を対象に会社負担で脳ドックを受診できる制度も導入した。これらが評価され、18年に「広島県働き方改革実践企業」に認定された。田中社長は、「社名は社是『信義』のことで、誠実で正しい道を進むことを指す。売り上げや利益も重要だが、それ以前に人として正しい行いに徹し、お客さまや取引先との信頼関係を築くことが何よりも大切。コロナ禍の影響を受けたが、顧客から当社への期待感は大きくなっている。全社員が仕事を通して心の豊かさを持つことのできる企業づくりを行い、社会に必要とされる100年企業を目指して挑戦を続ける」と話す。

会社概要

株式会社シンギ
本  社:広島市中区南吉島2-1-24
創  業:1932年
設  立:1952年
資 本 金:3億1000万円
売 上 高:173億円(2021年5月期)
従業員数:209人(22年5月時点)
事業内容:食品パッケージの企画・製造・販売
T E L:082-241-5194
U R L:https://www.shingi.co.jp/
※2022年8月当時の情報です。