食品パッケージ卸で地場最大手
食文化の発展と環境問題に注力

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社会に必要とされ続ける100年企業へ

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 食品パッケージを扱い全国に15営業所と四つの物流センターを持つ地場最大手。素材・形状・デザインの異なる20万種類の中から最適な容器を提案し、豊かな食生活や食品流通を支える。全国の駅弁事業者や興行施設などに商品を卸しており、業界内での知名度も高い。
 元々はメーカーとして創業し、一時期は商社色が強かったが、今は再びメーカー機能が大きくなりつつある。仕入れて売るだけではなく、社内デザイナーが連携し、オリジナルパッケージの企画から手掛けることも多い。2023年に北海道商品センターを開設するなど、物流強化を図る。ニーズが多様化する中、豊富な専門知識と提案力が求められ、社員の能力向上にも注力。業務に関する通信講座の受講費の全額補助の実施や民間資格の包装管理士の取得などを推奨し、提案力の向上につなげている。

新事業にも積極的

 近年は海洋プラスチックごみ問題やプラスチック資源循環促進法を受け、環境に優しい商材の提案に注力。サトウキビの搾りカス「バガス」を原料にした包装容器や、成長の早い木材を原料にした「エコウッド」などエコ製品の品ぞろえを充実させる。また、資源循環を見据えた商品提案も強化する。22年に開発したバガスモールド製のお好み焼持ち帰り容器は、広島県の「海洋プラスチック対策・リーディングプロジェクト支援事業」に採択され、同年秋に販売を開始した。
 新事業にも積極的だ。21年5月から、食品のおいしさをそのまま閉じ込められる特殊凍結機の販売を開始。取引先の販路拡大や食品ロス削減などに貢献している。23年5月には、冷凍食品を販売する新事業「時空食堂」ブランドを立ち上げた。オリジナル商品として、取引先の駅弁メーカー4社の協力を得て「冷凍駅弁おにぎり」を発売。専用サイトで販売するほか、今後は海外の展示会にも出展し、アジアや欧州での販売も計画している。

働きがい向上に注力

 パート含む全従業員向けのがん保険制度に加え、定期的なストレスチェックの実施や定時退社の推奨など、従業員の健康改善につながる福利厚生を中心に働きやすい環境の整備に取り組んでいる。22年度はさらに「働きがい向上」にも着手。広島県主催の「働きがい向上県内モデル企業」の選定を受け、現状把握~方針の明確化~プラン策定~実践~点検・見直し活動を行った。
 その一環で、より理念を浸透させるための現場業務の改善活動「シンギらしくグランプリ」を企画。全従業員が39チームに分かれて経営理念を自分事に落とし込み、チームで協力しながら企画に取り組んだ。活動を通じて仲間との連帯感や組織への信頼度、モチベーションの向上などにつながったという。田中社長は、「社名は社是『信義』のことで、誠実で正しい道を進むことを指す。売り上げや利益も重要だが、それ以前に人として正しい行いに徹し、お客さまや取引先との信頼関係を築くことが何よりも大切。コロナ禍の影響を受けたが、顧客から当社への期待感は大きくなっている。全社員が仕事を通して心の豊かさを持つことのできる企業づくりを行い、社会に必要とされる100年企業を目指して挑戦を続ける」と話す。



会社概要

株式会社シンギ
本  社:広島市中区南吉島2-1-24
設  立:1952年(創業1932年)
資 本 金:3億1000万円
売 上 高:221億円(2023年5月期)
従業員数:220人(23年5月時点)
事業内容:食品パッケージの企画・製造・販売
T E L:082-241-5194
U R L:https://www.shingi.co.jp/
※2023年9月当時の情報です。