「毎日承認」掲げる個別指導塾
全国150教室、関東地区を強化

新分野展開に挑み、全国展開の実現へ

累計生徒４万人を突破

　中四国地区を中心に東京、神奈川、大阪、愛媛、福岡などで個別指導塾「５―Ｄａｙｓ（ファイブデイズ）」を約１５０教室展開する。２００８年の創業から新規開校を加速し、22年には累計生徒数が４万人を突破した。〝教育ベンチャー〟として時代のニーズを捉えたサービス展開や同業者との連携事業など、新たな価値提供に先んじて取り組み、成長を続けている。
　５―Ｄａｙｓの特徴の一つが、定額の月謝で「毎日（平日５日）」通える受講システムだ。放課後に毎日立ち寄ってもらうことで勉強を習慣化し、生徒が「ひとりで勉強できる」ようにすることを目指す。その中で生徒への「存在承認」と「行動承認」に取り組み、やる気を高める指導に力を入れる。また多くの学習塾が学力向上を提供サービスの主軸とするが、同社は「子どもを想う保護者」の気持ちに寄り添い、親の子育ての不安解消にも注力する。
　23年からは高校３年生向けに「ココロザシ大学受験戦略予備校」を広島・岡山・福岡県に新規開校。多様化する大学受験情報の戦略的な分析、最適なカリキュラム作成、進捗管理システムで、生徒の志の実現を支える。田中良典社長は、
「当社は『21世紀を生き抜く力を育む』ことを教育方針に掲げる。偏差値の高い大学に入り、有名企業に就職すれば良い人生を送れる時代は終わった。子どもたちの『ひとりで勉強できる』を実現し、その先の夢の実現まで支援したい」

神奈川の同業を子会社化

　21年に愛媛県の寺小屋グループと連携し、同県の小学６年・中学３年の受験生向けコースを新設した。22年６月には、神奈川県で「個別指導エルフ学院」12教室を運営する会社を子会社化。これを足掛かりに関東エリアで新規開校を加速する方針だ。
　異業種との連携にも積極的に取り組む。もみじ銀行の旧支店（佐伯区）内に22年に開いた五日市コイン通り校は、山口フィナンシャルグループ（ＦＧ）と連携して金融教育を実施。学習指導要領が改訂され、高校で金融教育が始まったのに合わせ、地域の子ども連れ家族などに向けて金融リテラシーを養う講座を行う。20年からは子供向けスポーツスクールを展開するリーフラス（東京）と業務提携し、相互の送客支援や企画開発などを進めている。
　17年から「広島市こども文化科学館」と「市こども図書館」の命名権を広島市から取得し、両名称に塾名を冠して知名度向上を図っている。

連動する新分野に挑戦

　コロナを機に非効率だった教室運営を見直すなど、利益体質に向けた経営改革に着手。さらなる飛躍に向けて策定した24年から３カ年の中期経営計画には、既存事業と連動する新分野事業に乗り出し、全国展開を進める方針を掲げた。社長を含めた全社員で始業後１時間にわたり、職場を掃除などで整える環境整備も始めた。
　長期的な構想では６年後の２０３０年に売上高20億円、営業利益率10％以上の高収益企業を目指す。「目標を達成し、株式公開（上場）も見据えている。大きな組織に成長してもスピード感を持ち、挑戦を続けるベンチャーでありたい」

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