大崎上島~造船の魅力と歴史
島の仕事図鑑2-6
造船の島のアイディアソン
2015年10月16日〜18日大崎上島町商工会が「造船の島のアイディアソン 造船業界の魅力」を開催。広島県立大崎海星高等学校や広島商船高等専門学校の学生、東京をはじめ各地から大学生が集まった。初日は大崎上島の魅力を知る「大崎上島にある6つの日本一」を見学。2日目は大崎上島の造船会社を見学しディスカッション。最終日は、造船業界の魅力を探り、それを誰にどう伝えるかというアイディアをチームで発表した。このアイディアソンでは、大崎上島を学び、その地に根付く造船とその業界のことを学び、大崎上島の造船の魅力を伝えるためのアイディアを様々な視点から考案した。業界で働く職人、造船男子のかっこよさを詰め込んだ「月刊造船萌え」を発刊するアイディア、島内まるごとテーマパーク計画、船の町ブランディングなど、若い世代によるユニークなアイディアが次々と発表された。造船には高度な技術が多く、また現場はとてもダイナミック。現場にいると慣れてしまう風景でも、それ自体が一つの魅力でもある。普段はライバル同士の造船会社が日程を合わせ、同日に工場見学を行い、ディスカッションでは、なかなか顔を合わすことのない経営陣同士が参加し審査を協同で行うなど、造船の未来に向けて多くの業界連携を試みた。
競争だけではなく協同で未来を切り拓くために造船業界を盛り上げる。「造船の魅力」が伝わっていくことで造船業界全体に新しいアイディアが生まれ続ける。大崎上島独特の仕事として造船業界の更なる発展に期待が膨らむ。
造船と櫂伝馬(かいでんま)
木造船の町として輝かしく栄えた大崎上島。祭りで使われる櫂伝馬という木造船は、より速く進むようにつくられ、そして競漕で優勝することは島の船大工にとって何よりの誇りであった。同時に、大崎上島の男同士、地区の名誉をかけた戦いである。それ故に地区同士の諍いも多い。そんな櫂伝馬競漕も島を襲う少子高齢化の波で存続が危ぶまれるようになった。祭りで若き船頭たちが肩を並べることはないが、お互いが声を掛け合いながらここに集まり、彼らにとって櫂伝馬とは何かを一言で語ってもらった。今、島の若者達は地区の垣根を超え、肩を組み合い大崎上島の大切な「宝の舟」を守ろうとしている。島の仕事図鑑2 目次
【1】造船 (菅忠俊さん・元樋泰次郎さん・岸野花香さん・岡田顕正さん)
【2】海運 (末田晃史さん・川本洋彰さん)
【3】造船 (佐々木悠さん・佐藤友裕さん)
【4】海運 (日浦徹治さん・菊田隆之さん)
【5】造船 (米今順威さん・中秋和也さん・宮本誠治さん)
【6】大崎上島~造船の魅力と歴史