今3月期に初の売上600億円へ
埼玉や松江に相次ぎ物流センター開設

シモハナ物流

 食品物流で大手のシモハナ物流(坂町横浜中央、下花実社長)は松江市やさいたま市に相次ぎ拠点を開設し、2024年3月期に売上高600億円到達を予想する。25年度(26年3月期)を着地点とする10カ年計画では売り上げ倍増の700億円を掲げており、コロナ禍からの荷動き回復に加え、近年開設した拠点の稼働率向上によって実現の見通しが強まった。

 コロナ禍発生の初年度だった21年3月期には不安定な社会情勢を受けて26年間の増収記録がいったん止まったが、継続的な増車(4月現在で1680台保有)と全国57拠点の広域物流ネットワークを構築してきたことで、荷動きの回復にスムーズに対応。インバウンド(外国人旅行者)の回復も食の消費の面でプラス要因という。新規受注も押し上げ、今期の売上高予想は前年比7%増で3期連続の過去最高を見込む。
 8月には松江市に二つ目となる自前の物流センター(延べ床約8000平方㍍)を稼働。常温、冷蔵、冷凍の3温度帯の倉庫を備える。既存拠点は現地のスーパーや外食の荷物を扱い、新拠点は食品卸向けの業務を担う。さいたま市岩槻区でも24年2月に同市で四つ目となる自前の物流センター(3階建て延べ床約3万6300平方㍍)を開設する。冷凍食品市場が伸長し、特に関東で冷凍倉庫が不足する中、常温、冷蔵、冷凍、超冷凍の4温度帯に対応。自動倉庫やマルチシャトル(商品自動保管システム)、ロータリーソーター(所定の場所に仕分けする機械)、ロボットパレタイザー(積み下ろし装置)などを配備する。
 22年4月に石川県に開設した拠点では、北陸にエリアを広げた。23年6月には大手食品メーカーの明治100%子会社で物流業のスリーエスアンドエル(同県金沢市)の全株式を取得。コンビニエンスストア向けの食品配送センター運営が主な事業内容で、互いのノウハウを共有し、体制を強化する。なお、シモハナ物流の売上高700億円計画に、スリーエス社の売り上げ(22年3月期51億円)は含まない。