多様な手段で顧客の想い伝える
感性マーケティング、バリアブル印刷など活用
株式会社ユニバーサルポスト
1947年に印刷業で創業し、「想いを届けるプロ集団」であり続けようと、顧客の多様な困りごとに対応してきた。事業領域を広げ、企画提案から情報発信、マーケティング、販促支援、編集、ウェブサイト構築・運用、キャンペーンやイベント企画運営までワンストップの支援体制を構築。顧客にとっては手間やコストの削減、分かりやすく魅力を伝えられるメリットがある。「統合メディア業」を掲げ、紙媒体やホームページ、インターネット、SNSなどを一体的に活用し、最適な伝達手段を行う。祖業の印刷業から、今や「印刷もできる『情報価値の創造企業』」へと飛躍している。喜瀬社長は、「新型コロナで、あらゆる業界で従来のやり方を変えざるを得なくなりました。当社は360度全ての業界がお客さまであり、それぞれの想いを引き出し、消費者へ伝えることが使命。2019年9月には、データを可変して1部ずつ異なる内容を印刷できるバリアブル高速インクジェットプリンタを稼働。マーケティングデータを生かしながら一人一人のニーズに合わせた印刷物を制作し、変化の急激な時代にも最適な情報を伝達し続けたい。『伝える力』で顧客や社会が抱える課題の解決、事業の成長を支援していきます」
例えば〝丁寧な暮らし〟をテーマに衣食住の店舗を掲載するオウンドメディアサイト「BUCKETTY広島」と連動し、バリアブル印刷を用いて一つ一つ内容の異なるチラシやフリーペーパーを発行する。これらのコンテンツを充実させるため、20年7月に「感性マーケティング室」を設けた。また、アンケート連動型のQRコードによって、くじ引きができるスマホ抽選システム「QRLOTO」を開発しており、企業のノベルティやキャンペーン、店舗の販促に活用してもらう。QRコードの抽選は通常一つのデータで1回限りのため、大量印刷物に適さないが、同社はバリアブル印刷によってチラシ1枚、本1冊ごとに異なるQRデータを載せられるようにした。
働き方改革やCSRを推進
生き生きと働ける環境づくりにも積極的だ。毎年、新卒者2人前後を採用。18年度から実験的に最初の配属先を経営企画室とし、現場も経験させながら考える力の養成を図っている。BUCKETTY広島も新入社員中心に1年かけて事業化した。「広島県働き方改革実践企業」に認定されており、1年間で所定外労働を月間平均540時間削減した。従業員1人当たりの総実労働時間は月間約5時間削減、年次有給休暇の取得率は33%から43%以上に向上。営業部門の業務の棚卸しやITツールによる効率化、生産部門の多能工化、全社的な支援制度の見直しが奏功した。育児休暇を取りやすい風土が根付き、常に同じ部屋にいる条件での子連れ出勤制度なども導入済み。
CSR(企業の社会的責任)活動にも注力し、全日本印刷工業組合連合会CSR・スリースター認定を取得。「新CSR検定」の広島事務局として普及に努める。ISOやFSC認証、工場のグリーンプリンティング認定などを取得済みで、17年にはアルカリ現像やガム処理などが一切不要の「完全無処理」印刷用CTP(デジタル出力の印刷版)プレートを導入。開発途上国支援によるカーボン・オフセット制度を利用した、印刷機メーカーの環境貢献活動にも18年から参画している。
会社概要
株式会社ユニバーサルポスト
本 社:広島市西区商工センター7-5-52
設 立:1948年1月
資 本 金:1000万円
売 上 高:30億円(グループ)
従業員数:195人(グループ)
事業内容:総合印刷、広告、コンテンツ企画・制作、
マーケティング、リサーチ、販促・イベント企画運営、BPO(業務代行)、
発送代行、ウェブ・アプリの企画開発
U R L:http://www.u-post.co.jp/