特殊印刷機のトップメーカー
世界ナンバーワンへ研究・開発加速

富士機械工業株式会社

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 特殊印刷機のトップメーカーで、2021年7月に創業70周年を迎えた。食品包装用プラスチックフィルムに使われる「グラビア印刷機」、缶詰や飲料缶などに印刷する「金属印刷機・金属塗装機」、フィルムやアルミ箔など異素材を貼り合わせる「ドライラミネーター」、さまざまな材料の表面に薬品や塗料などを均一に塗る「コーター」の4事業を展開。高品質・高耐久性を強みに、国内ほか世界40カ国に納入している。

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圧倒的な業界シェア

 1969年に製造・販売を開始した金属印刷機・金属塗装機は国内では同社だけが開発技術をもつオンリーワン事業で、国内シェアは約98%を占める。近年は新興国を中心に引き合いが増え、世界でもトップクラスに成長。グラビア印刷機の用途は食品包装をはじめ、家具・家電製品の木目印刷など多岐にわたり、ラミネーターとともに国内の約6割が同社製だ。
 コーターは電気(EV)自動車のリチウムイオンバッテリーの製造工程に使われ、中国などから受注が増えている。高速で薄く塗布する技術が評価され、2018年に経済産業省の「ものづくり日本大賞」で特別賞を受けた。材料ロスの低減や高稼働を実現し、顧客企業の生産性向上に寄与している。

小ロット対応機の開発加速

 菓子の期間限定品など商品の多品種化によって小ロット印刷のニーズが高まっており、対応印刷機の開発にも力を入れる。小ロットのグラビア印刷では印刷の型となる版胴の取り換えやインキの色あわせなどによる生産性の低下が課題で、解決のための新技術を積極的に開発している。
 16年発売の「FSR型グラビア印刷機」には版胴の自動装着装置を搭載。国内最大手の凸版印刷(東京)との共同開発で19年に発売した「FTS型グラビア印刷機」は、版胴交換を補助する装置「スピーディアーム」やインキ自動調色システム、交換部品の軽量化、版の洗浄・インキ抜きの自動化などで段取り時間の短縮に成功した。インクジェット印刷でも小ロット対応機の開発を進めており、20年に府中町の開発部に試験機を立ち上げ、商品化に向けた改良を重ねている。20年11月に就任した和田龍昌社長は「40㌔以上の版胴の交換作業はとても過酷。これからも省人化・省力化につながる製品を開発・提案し、印刷業界の職場環境改善に役立ちたい」と話す。
 また、インキメーカーと協業し、多様なアプローチで環境負荷を減らす取り組みを実施。試し刷りしたプラスチックフィルムのインキを落として再利用できる脱墨機も開発し、商品化を目指している。

DXや働き方改革を推進

 業務効率化に向け、紙の図面からタブレット端末への移行など、DXを推進する方針。新システムの導入を検討中で、技術者の経験や感覚に蓄積された〝暗黙知〟を言語化・標準化し、データベース化して技術継承に生かしていきたいとする。多様な働き方の実現へ、テレワークの拡大、女性技術者の育成、副業の許可、時間型からジョブ型への移行なども視野に入れている。和田社長は「今後も時代に求められる製品を生み出すために、常に将来を見据えた挑戦を続け、世界ナンバーワンを目指す」と意気込む。

会社概要

富士機械工業株式会社
本  社:東広島市八本松飯田2-7-1
設  立:1951年7月
資  金:4億5000万円
売 上 高:92億2841万円(2020年8月期)
従業員数:226人
事業内容:グラビア印刷機、ラミネーター・コーター、金属印刷機など
     産業用機械の開発・設計・製造・販売
T E L:082-428-2450
U R L:https://www.fujikikai.co.jp/

※2021年8月当時の情報です。