創業90年を超える豆菓子メーカー
新工場で生産効率高め、新ブランド発進へ

株式会社イシカワ

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 豆菓子を主力にナッツやドライフルーツを企画・製造。量販店向け商品を中心に根強い支持層を持つが、新たに豆菓子以外の大豆を使った製品を扱うブランドを立ち上げ、販路開拓に乗り出そうとしている。新工場稼働も控えており、創業90年を超える老舗の挑戦が注目される。

新ブランド「NOBUTARO」

 創業当初は大八車を押して手売りしていたという。「良い商品をいち早く届ける」。この商いの姿勢で、取引先と地道に信頼関係を築いてきた。
 健康志向の高まりを受け、大豆やナッツ類がより注目される中、県営佐伯工業団地の現工場に隣接する新工場の2021年内完成を目指す。HACCPを導入し、ラインや人の配置に工夫して生産効率を高める一方、工場見学も整備し地域の観光振興にも役立てたいと考えている。
 新ブランド「NOBUTARO」は、創業者、石川信太郎氏のチャレンジ精神を込めた。これまでに焙煎大豆を使ったコーヒーや大豆ペーストをアンに使った豆パンなどの試験販売を重ねてきた。手応えを受けて従来にないイシカワのイメージと老舗のブランド力をうまく融合させた、新ブランドの新商品を構想中だ。
 こうした事業戦略とともに、推進体制も整えてきた。15年新設の商品企画部は20代若手社員を主体に構成。きたんなく意見が言い合えるボトムアップの職場環境を育んでおり、従来の考え方に縛られない柔軟な発想を大切にする。広島土産に位置付ける「きなこ大豆~せとうち檸檬~」は、こうした社風から生まれた。

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生き生きと働ける職場に

 仕事と家庭の調和をテーマに職場環境整備にも注力。18年には県の「働き方改革実践企業」に。新工場を契機に、一人の従業員が多様な業務をこなす多能工化も図り、3年以内に週休3日制の導入を目指す。幼いころ2代目の祖父から製造現場で教えを受けたという石川直寛社長は、「情熱を持ってものづくりに挑戦し、生き生きとやりがいを感じて働ける職場」づくりに意気込んでいる。

会社概要

株式会社イシカワ
本 社:廿日市市峠245-37
設 立:1952年3月(創業1927年3月)
資本金:4000万円
売上高:8億4300万(2020年2月期)
従業員数:49人(2020年6月期)
事業内容:豆菓子・ナッツ・ドライフルーツなどの製造、販売
TEL:0829-40-0088
URL:https://www.ishikawa-net.co.jp/

※2020年8月当時の情報です。