安全靴の老舗メーカー
産業の足元守り100周年
野口ゴム工業株式会社
熱中症対策やシリーズ刷新で市場獲得へ
安全靴専門メーカーとして2024年に創業100周年を迎えた野口ゴム工業。道路舗装専用安全靴、高所作業用安全靴、造船・製鉄用耐熱安全靴など、過酷な現場での使用を前提とした用途特化型の製品群で日本の製造業を支えてきた。近年では国内安全靴メーカーで初めて欧州安全規格(EN ISO規格)に適合した「KCシリーズ」を開発し、販路を拡大している。主力ブランド「HSK」シリーズを軸に、製造・建設・舗装・造船など業種ごとの現場課題に対応する製品開発を続ける。創業から次の100年へ、日本の安全靴を世界基準に高めることを新たなミッションに据える。
欧州規格で世界へ
KCシリーズはJIS規格を大幅に上回る欧州CE規格(EN ISO規格)に適合した国内初の安全靴。日本人の足型や嗜好に配慮しながら高い安全基準と快適性・耐久性を両立し、大手自動車メーカーをはじめとした製造業での採用が年々拡大している。大手警備会社には専用安全靴として一括採用された実績も持つ。
JIS規格とEN ISO規格の両方を生産できる強みは、国内主力製品のバージョンアップにも生かす。この二規格対応のハイブリッド型製品群で国内外のシェア拡大を目指し、EN ISO規格製品の海外展開に向けた市場調査も進めている。
熱中症対策靴を発売
企業の熱中症対策義務化を背景に製造・建設現場からの問い合わせが増える中、白色の革素材を採用した熱中症対策安全靴を26年夏に発売。白色素材は黒色に比べて路面からの熱吸収を抑え、サーモグラフィー検証では靴内温度差が10〜12度、表面温度差は20度以上に達するケースも確認されている。早期の市場投入でシェア獲得を狙い、アマゾンを主軸に楽天市場でも販売する。九州の熱中症対策関連展示会にも出展し認知を広げる。野口社長は「熱中症対策安全靴として出展をしていた安全靴メーカーは当社だけで、それも相まって注目度が高かった。蓄熱を抑えるシンプルな方法だが、体感温度が大きく変わる。これが現場の常識になれば、夏の作業効率はもっと向上するはず」と語る。
同時期に高所作業靴もスニーカータイプにモデルチェンジして発売。柔軟性と足場での高いグリップ力を両立し、レスキュー隊でも採用される。アスファルト舗装現場用HSKシリーズの新バージョンは3月に発売済みで、底材を厚くして耐熱性を従来比20%向上させた。
現場の声を商品に
同社では、直接現場に出向き、丁寧なヒアリング調査を重視。開発や製造、販売など、商品に関わるさまざまな人から聞き取りを行うのが基本姿勢。例えば自動車産業向けシューズは大手自動車メーカーで働く従業員から「立ち仕事で足が疲れる」との声が寄せられたことをきっかけに改良に着手した。小さな声であってもできる限り拾い上げ、顧客の足に合う靴づくりを目指している。
100年の実績を礎に海外へ
最近ではベルギー発祥の安全性やファッション性を備えた「セーフティ・ジョガー」といった海外製品の取り扱いも始めた。産業の足元を守り続けてきた100年の実績を礎に、世界の現場へ活躍の場を広げる。
会社概要
野口ゴム工業株式会社
本 社:東広島市田口研究団地6-40
設 立:1951年1月(昭和26年)
資 本 金:3000万円
売 上 高:9億300万円(2025年8月)
従業員数:13人
事業内容:安全靴の製造企画・販売、安全衛生保護具の販売
T E L:082-425-3241
U R L:https://www.noguchirubber.jp/
※2026年9月当時の情報です。




