アパレルメーカー事業に経営資源投入
海外生産背景とグローバル人材育成を拡充

株式会社アスティ

動画をリクエストする

 繊維卸として創業。2020年5月で70周年を迎えた。軸足を地域卸からODMやOEMを主力とするアパレルメーカーへと転換し、成長戦略を進めてきた。中国やベトナム、バングラデシュなど海外生産背景を整え、グローバル人材の育成を強化。さらにメーカー機能を強めて企画提案力を高め、事業拡大を図る。

  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3
  • 写真4
  • 写真5
  • 写真6
  • 写真1
  • 写真2
  • 写真3
  • 写真4
  • 写真5
  • 写真6

全社一丸をスローガンに

 前身の繊維卸、十和は1960年代、日本一の地方問屋と言われた。流通革命を前に事業を川下(小売)に広げ、さらに川上(製造)に軸足を移す。これが現在の礎になった。70年の業歴は挑戦、変革の連続だった。ブランドビジネス(ジュエリー4℃)、衣料専門店事業(アージュ)にも乗り出し、ここまで成長させてきた。
 現在、大手アパレルメーカーやセレクトショップ、量販店などに向けたアパレルメーカー事業が売り上げの60%を占める。矢口社長は、「衣料品店などへ卸すホールセール事業の収益改善で生み出した原資をアパレルメーカー事業へ投じ、全体の売上拡大につなげる」として、成長分野へ経営資源を投じる体制の整備にまい進。「全社一丸」をスローガンに意識改革や新たな業務推進体制の構築を図る。セクションごとで利益を追求する体制から、全体でビジョンを理解した上でベクトルを合わせ、「選択と集中」を共有して一丸で推進していく。

バングラ加わり提案力アップ

 中国、ベトナムに12年からバングラデシュが加わり、グローバルな供給体制が強化された。バングラデシュでは、翌年から大手量販店や専門店チェーン向けにカットソーやシャツ、パンツの生産を始め、16年には首都ダッカに駐在員事務所を設けて紡績~製品化の一元管理体制を構築。中国からの素材供給ルートも確保して生産拡大の基盤をつくった。素材の調達に精通した人材や検品等に携わる生産管理の人材の投資も進めた。
 アパレルODM、OEMを強化する中、素材から扱うバングラデシュの重要性が高まっている。さらなる生産拡大に向けては、付加価値素材の開発が不可欠だ。〝サスティナブル(自然環境などが持続可能な)素材〟が世界的に注目されている中、その供給ができるタイで生地を調達し、バングラデシュで生産する体制の確立も視野に入れる。また、トレンドに左右されないユニフォームの生産にも着手する計画だ。
 ODMのノウハウを強みにコンテンツビジネスを伸ばしている。コト消費に着目し、テーマパークやプロスポーツチームなどのグッズやキャラクターなどを商品化。中でもカープグッズはその代表例だ。

グローバル人材の育成

 何よりも人の成長を大切にする創業者、尾山悦造氏の「まっとうな経営」を継承。創業来の企業風土「失敗を恐れず果敢に挑戦」が息づく。海外生産背景を拡充する中、「語学力、コミュニケーション能力は不可欠。文化の違いを理解し、自分の考えや要望を正確に伝えられる人材の育成に力を入れている」と矢口社長。
 既に若手・中堅社員が現地生産スタッフと信頼関係を築き、生産力アップや新規受注など成果を生んでいる。経営戦略上、グローバル人材の育成は最重点課題だ。マーケットは現在、国内のみだが海外の開拓も構想。企業風土である「挑戦」が今後も成長の鍵となる。

会社概要

株式会社アスティ
本  社:広島市西区商工センター2-15-1
設  立:2006年9月
資 本 金:1億円
売 上 高:84億円、グループ105億円(2020年2月期)
従業員数:104人
事業内容:アパレルおよびバッグの企画・製造・販売
T E L:082-278-1111
U R L:https://www.asty.co.jp

※2020年8月当時の情報です。