需要生むODM・OEM
アパレルメーカー事業にまい進

株式会社アスティ

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要望に応える海外生産背景と企画力

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 バングラデシュの生産体制強化が実を結んでいる。素材から調達できるメリットにコスト競争力が強化され、先行する中国やベトナムと合わせ取引先の要望に応える海外生産背景を拡充。ODM(企画から参画する相手先ブランド生産)やOEMを主力とするアパレルメーカー事業の拡大路線をまい進中だ。

最適地生産体制を敷く

 繊維産業が盛んなバングラデシュには2016年に首都ダッカに駐在事務所を構え、現地生産を拡大してきた。進出は業界内でも早く、大手量販店や専門店チェーン向けカットソーや布帛(織物)などを手掛け、品質や納期も安定。得意先からの評価も高く、優位性が高まっている。協力工場はダッカや22年に生産開始したチッタゴンに現在計6カ所。アパレルやバッグに加えて新たに寝装品も手掛け、輸入枚数ベースで中国を上回り60%を占めるまでに伸長。再生ポリエステルを使用した生地を現地生産し、縫製するなどサステナブルな取り組みも進めている。今後は両拠点の生産管理機能をさらに充実させる。
 新井社長は、「中国、バングラデシュ、ベトナムなど各生産拠点の得意分野や強みを使い分けて、価格以上の価値を提案できる。要望に応えるODM・OEMを一層、拡充していきたい」と意気込む。円安や原材料価格の高騰などで生産地見直しの動きが強まるアパレル業界で、競争力を押し上げている。

マーケット読む企画提案力

 海外生産背景と共に、素材やデザインを提案できる企画力もアスティの強みだ。デザイナーが営業担当と一緒に得意先に出向き商談し形にしていく。こういったことが信頼を生み、価格競争力だけでないアスティの力となっている。現在は消費者の声を商品提案に生かす取り組みを進めている。新井社長は、「BtoBが主力であるアスティには消費者起点の考え方は今まであまりなかったが、今後は一層重要になる」として力を注ぐ。海外でのマーケットリサーチを強化し、全社員を対象としたトレンドセミナーも実施。また新たにマーケティング力を高める施策も検討中だ。

グローバル人材に賭ける

 経営戦略上、グローバル人材の育成は必須。語学やコミュニケーション力は無論、文化や慣習の違いを理解し、海外で自分の考えを伝える力を養う。これまで生産拠点は中国が主力だったが、バングラデシュの優位性が高まり英語力は不可欠になってくる。コロナ禍で中止していた若手の海外出張を復活させた。実際に生産されている現場を体験し、商品を手にすることが、今後の営業に役立つと信じているからだ。社内での出張報告会での若手の成長した姿が会社の将来を支えてくれると感じさせてくれる。「現在、マーケットは国内だけだが、将来的には海外も視野に入れたい」と新井社長。グローバル人材の育成を急ぎ、生産と営業の両輪駆動を加速させる。
 祖業は繊維卸「十和」。流通革命を前に事業を川下(小売のフジ)に広げ、やがて川上(製造)に軸足を移す。卸から、ものづくり企業へ。この決断により今のアスティがある。創業来の「失敗を恐れず果敢に挑戦する」組織風土がアスティにも息づく。現在、東証プライム上場の4℃ホールディングスグループとして経営力を高める。



会社概要

株式会社アスティ
本  社:広島市西区商工センター2-15-1
設  立:2006年9月
資 本 金:1億円
売 上 高:81億円、グループ107億円(2024年2月期)
従業員数:100人
事業内容:アパレルおよびバッグの企画・製造・販売
T E L:082-278-1111
U R L:https://www.asty.co.jp
※2024年9月当時の情報です。