単独売上で初の100億円突破
年内に山梨、宮城で新生産拠点

村上農園

 スプラウト(発芽野菜)で全国トップの村上農園(佐伯区、村上清貴社長)は、2019年12月期決算で前年比8・3%増の単独売上高107億1900万円を計上し、単独で初めて大台を突破した。きのこ、もやしを除く野菜の生産会社で他に例がない。沖縄村上農園と合わせると18年に100億4300万円を達成済みで、19年は108億8100万円と伸びた。

 一般的なブロッコリーの20倍以上の有用成分スルフォラファンを含む、主力商品の高成分野菜「ブロッコリー スーパースプラウト」の出荷が好調だった。消費者の健康志向が高まる中、肥満や老化、疾病に対する効果が注目され、出荷量がここ6年で約6倍に伸びている。需要増加に対応し、今秋に新たな生産拠点「スーパースプラウトファクトリー山梨」(山梨県北杜市明野町)の開設を予定する。敷地約9470平方㍍に延べ床9480平方㍍で、1期工事完了後に年産3500万パック、2期工事完了後に同7000万パックを計画。

 栄養価と手頃な値段が強みの「豆苗」(エンドウの若菜)をはじめ、風味や色、形が多彩な発芽後2〜3週間のハーブ類「マイクロハーブ」シリーズなども生産しており、専用サイトや料理レシピの発信などで消費者に訴求している。同社の売上高は右肩上がりが続き、11年から3倍以上に成長した。宮城県黒川郡大郷町でも20年内に、さまざまな商品を生産する新拠点を稼働する。敷地6万487平方㍍に、1期は温室1万4000平方㍍・作業棟1600平方㍍を整備。スプラウトシリーズ換算で年産3350万パックを計画する。2期は温室6000平方㍍、3期が同1万6000平方㍍、4期が同6000平方㍍。山梨と宮城の拠点が完成すると、全体で200億円規模の生産体制となる。北海道や関西でも新たな生産施設を検討し、25年に売上高300億円を目指す。