スプラウト(発芽野菜)で全国トップ
目指すは世界一の施設野菜メーカー

株式会社村上農園

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先端技術開発室を新設し、社内共創へ

 村上農園はスプラウト(発芽野菜)生産の全国トップ企業だ。有用成分「スルフォラファン」が豊富な高成分野菜「ブロッコリースーパースプラウト」と「ブロッコリースプラウト」、栄養価が高く割安なエンドウの若菜「豆苗(とうみょう)」、カイワレ大根などを生産する。きのこ、もやしを除く野菜の生産会社で100億円企業は他に例がなく、25年をめどに300億円を計画し、35年に〝売上高1000億円、世界一の施設野菜メーカー〟を目指す。

 商品力を支えるのが、たゆまなき商品開発と最新鋭の生産体制だ。例えばブロッコリースーパースプラウトは約20年の不断の品種改良によって有用成分の含有量を発売時から約1・7倍に増やした。安定的で高品質な生産の実現へ、全国の生産センターをICTで結び、栽培環境データの共有や成長段階ごとの観察・記録など徹底した栽培管理を実施。21年には山梨に完全人工光型の世界最先端の植物工場「スーパースプラウトファクトリー」を稼働した。傾斜地に潜り込む形で栽培スペースが地下にあり、気温が安定しているため、管理しやすい。全国10カ所に生産センターを構え、22年に宮城、23年に北海道で新施設を計画。社員の創意工夫を重視し、「新時代の農ビジネスを楽しむ」が合言葉だ。「農業」を〝ブレーンビジネス〟として捉えた「脳業」に進化させ、AI活用の栽培ノウハウをライセンス化し、外国企業への供与を目指す。

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苦境乗り越えV字回復

 そんな同社にも苦境があった。1996年の病原性大腸菌O―157による集団食中毒事件の原因食材がカイワレ大根とされたのだ。後に事実無根と判明するが、豆苗などの新野菜を展開することでV字回復を果たし、風評被害を乗り越えた。その後、高成分野菜のブロッコリースーパースプラウトなどを開発し、食の安全や健康志向を受けてロングセラー化。料理レシピの開発や積極的な情報発信で、需要を掘り起こしてきた。レストランなどの外食向けに多彩な形と色、風味を持つ「マイクロハーブシリーズ」など、日本になかった新野菜にも挑戦している。同社にはこうした開発、マーケティング力や、困難を乗り越えてきた芯の強さがある。

自考自走の人材と高め合う

 村上社長は「だからこそ当社には自ら考え、行動し(自考自走)、諦めずに最後までやり抜く人材が必要です。成長が実感できるよう、成果を正当に評価する人事・給与制度の整備を進めるとともに、チャレンジしやすく、互いに刺激し合い高め合う組織を目指しています」と話す。

 「Challenge」、「Change 」、「Chance」という「3C」を「考動」の指標に掲げる。村上社長は、「農業ビジネスは自然環境も含め、取り巻く環境や状況が刻々と変化します。新しいことに挑戦し、自ら変化を作り出し、そこからチャンスをつかまないと進化はできない。成功体験と同じくらい、失敗から学ぶ成長もあるでしょう。成果の手応えをつかむまでに、気の遠くなるような長い年月が必要なプロジェクトもある。しかし、他人に言われて行うのではなく、自分で考え抜いたことならば、そこから生まれる失敗も忍耐も全て自分の成長の糧になります。共に新たな価値を創造したい」。21年新設の「MATT(マット)/先端技術開発室」を含め、社内横断的な共創を目指す。

会社概要

株式会社村上農園
本  社:広島市佐伯区五日市中央4-16-1
設  立:1978年1月
資 本 金:1000万円
売 上 高:106億1500万円(2020年12月期)
従業員数:105人(2020年12月末)
事業内容:スプラウト(発芽野菜)、豆苗などの生産・販売
T E L:082-923-6080
F A X:082-923-5411
U R L:https://www.murakamifarm.com/

※2021年8月当時の情報です。