日本酒の醸造設備メーカー
酒質向上へ、蔵の課題解決
有限会社キクプランドゥー
「聞く、Plan、Do」サイクル回す
日本酒など醸造業界に特化した設備メーカー。自社ブランド「KPDシリーズ」を軸に、設備の設計、製作、設置、保守を一貫して手掛ける。酒造りの現場に深く寄り添い、これまで光が当たりにくかった「搾った後のお酒の管理」など業界の課題を独自技術で解決してきた。
SNS運用やチラシのDM、展示会を通じた情報発信に注力。広告宣伝費は年数千万円に上る。自社情報を集約した発信をきっかけに全国の酒蔵や研究機関から情報や注目を集めることができ、共同開発などにもつながっている。
製造業へ転換し急成長
1998年創業。2021年に2代目の菊田壮泰社長が就任して以降、商社やメンテナンス中心の事業から、自社製品の開発・製造事業へと軸足を移してきた。22年には出荷作業を担う八木スペースを稼働させ、生産体制を拡充。現在は売上高の約6割を自社開発品が占める。26年1月期は4期連続の2桁成長となる7億円を計上し、27年は9億円、28年に11億円を目指す。
念願の製造拠点を新設
成長を支える次の一手が、同社初の製造専用拠点の整備だ。安佐北区上深川町の県道37号沿いに、二つの工場を設ける。自社保有の第1工場「KPD01」は敷地566平方㍍に鉄骨3階建て延べ500平方㍍を計画し、27年1月の完成、3月の稼働を見込む。第2工場「KPD02」は敷地1050平方㍍に鉄骨平屋建て延べ470平方㍍。工場と倉庫機能を併せもち、タンクや大型設備を複数台の同時製造、保管用途で活用する。菊田社長は「準工業地帯の工場で、日本酒のもろみ製造用タンクといった大型品を内製化し、外注コストと納期の課題を解消したい」と話す。
技術で伝統を未来へ
主力製品は、日本酒の出荷前に必要な加熱処理(火入れ)と冷却を自動化した機械「ヒートリード+プラス」だ。一度に大量の処理ができ、味わいの設計やデータ記録にも対応する。国内唯一の酒の国立研究機関、酒類総合研究所(東広島市)にも導入されている。加熱・冷却のムラを抑える技術は21年に特許を取得した。経験豊富な杜氏の勘に頼ってきた作業を機械で制御し、設定や経過を自動で記録・数値化する。属人化しがちだったベテランの技術を若手や未経験者が生かすことで、安定した品質の保持につなげたいとする。さらに、九州大学との産学連携で酒の熟成時に発生する「老ね香(ひねか)」を除去する技術の事業化も視野に入れる。
事業拡大へ、採用強化
リファラルや中途採用に加え、大学のゼミや業界の就職セミナーを通じて若手の採用を強化。毎年3~4人の採用を続け、30年には従業員を現在の25人から45人へ増やす計画だ。ものづくりや日本酒が好きであれば未経験でも歓迎するほか、蔵人など酒造経験者のセカンドキャリアも受け入れる。従業員の半数以上を女性が占め、リモート勤務も取り入れるなど、多様な人材が活躍できる環境づくりを進める。職人の高齢化や後継者不足が進む醸造業界で、技術を次の世代へ受け継ぐことを使命に掲げ、若手とともに新たな価値の創造に挑み続ける。
会社概要
有限会社キクプランドゥー
本 社:広島市安佐北区倉掛2-15-8
設 立:1998年2月(創業)
資 本 金:2000万円
売 上 高:7億円(2026年1月期)
従業員数:25人(パート含む)
事業内容:醸造業界向け機械設備の設計・製作・販売各種工事、保守管理自社開発ブランド「KPDシリーズ」の企画・開発・製造
T E L:082-843-8339
U R L:http://www.kikuplando.co.jp/
※2026年9月当時の情報です。




