電気制御で西日本大手
“つくる”キーワードにグループで多角化へ

田中電機工業株式会社

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 製造ラインの複数の機械を効率よく動かす、制御システムを手掛ける西日本大手。電気制御盤をはじめ、電子機器の設計、製造、電気工事のほか、コンピュータハードウェア、ソフトウェアの販売、保守なども手掛ける。

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多業種産業と取引

 1929年の創業時は工場のモーター保守・点検・修理などを手掛けていたが、工場の自動化の時代が来るとにらんで制御盤製造に進出。弊社は板金や塗装の設備・技術も備えているのが大きな特徴で、開発・設計から生産管理、製造、物流、据付や改造・修理までを一貫して請け負うため、短納期や細かい仕様設定の要望にも対応できるのが強みだ。2012年稼働の安芸高田工場は、50㍍級の大型制御盤が製造可能で全国から注目され、14年にはタナカショーデン(18年に吸収合併)という西日本最大級の新工場を約9億円投じて庄原市に建設。製造拠点6ヵ所の保有で災害リスク、自動車のほか、樹脂機械、繊維機械など異業種産業との取引による経済変動リスクの対応もできている。18年にMS事業部を設立し、液晶TV・携帯電話用の半導体チップの検査装置、自動車向け電子部品のパワー温度サイクル試験機の設計、製造、据え付けも開始した。
 IT事業は、日本IBMの特約店としてスタートし、20年で37年間、顧客の複雑化・多様化する経営課題を、最先端の情報技術で解決し、IT経営の推進を強力にサポート。AI、IoT、クラウドなどの最新テクノロジーを活用し、ハードウェアの導入からアプリケーション開発、ネットワーク構築までシステム構築全般を、最適なソリューションとして提供する。特にアプリケーション開発は、子会社のエム・アイ・ティシステム開発と連携し、SE90人の体制で製造、流通、金融、医療、教育等の幅広い業種に対応する。

人間力が原点

 〝社会・顧客と会社と社員の共存共栄〟を経営の基本方針に掲げ、社会や顧客の役に立ち、信頼される会社を目指している。創業以来、特に若手社員の育成に注力しており、若い人材に積極的に仕事を任せている。未経験でもコンピュータ開発を担当できるよう、会社全体で資格取得を後押しする。想像力や意欲、潜在力を引き出すため、経営陣が社員と同じ目線に立つことを大切にしている。田中秀和会長は、「設備でモノをつくるわけではない。人間力こそがモノづくりの原点で、人の成長が会社の成長につながる。定期的に鍋パーティーなど集まりを開いており、社員と積極的にコミュニケーションを取っています。社員と経営陣との相互信頼を大切にし、風通しの良い会社をつくりたい」
 近年は異業種での事業展開にも積極的だ。15年、水素水が農作物の生育に好影響をもたらすことに目を付け、イチゴの栽培を開始。自社ブランド「安芸こまち」として売り出している。18年には老舗菓子メーカーの平安堂梅坪(西区)を子会社化し、食品事業の幅を広げる計画だ。子会社のスマートコムシティひろしまを設立。18年10月の広島商工会議所内の1基目を皮切りに、おりづるタワーなどにデジタルサイネージ設置。21年3月までに25基とし、地域密着型の新たなメディアを目指す。

会社概要

田中電機工業株式会社
本  社:広島市南区大州1-5-24
設  立:1951年9月(1929年4月)
資 本 金:5000万円
売 上 高:158億円(2020年3月期)【グループ合計168億円】
従業員数:650人(グループ、パート含む)
事業内容:電気電子制御システム等の設計および製作・販売
     コンピュータソフトの開発・OA機器の販売・保守とシステムコンサルティング
     電解水素水整水器の販売・水素水作物の栽培
T E L:082-282-0251
F A X:082-282-3636

※2020年8月当時の情報です。