JCR格付A+安定的に引上げ
全国の信金・信組でトップタイに

広島市信用組合

 広島市信用組合(山本明弘理事長)は、日本格付研究所(JCR)の信用格付が「A 見通しポジティブ」から「A+ 見通し安定的」に引き上げになった。理事長のリーダーシップのもと経営資源を預金・貸出金業務に特化させ、スピーディーな融資判断を行うビジネスモデルが評価され、収益力の高さが反映された。JCR格付は全国の信用金庫・信用組合で西武信用金庫(東京)、碧海信用金庫(愛知)と並び、トップタイとなった。

 市信用は2007年3月期に「BBB+ 見通しポジティブ」を取得。09年3月期に「A- 見通し安定的」、12年3月期に「A- 見通しポジティブ」、15年3月期に「A 見通し安定的」、21年3月期に「A 見通しポジティブ」に格上げされた。格付の取得後も22年3月期末の貸出金残高は7043億7000万円、預金残高は8027億5700万円と共に07年3月期に比べ2・6倍と伸びている。貸出金は広支店の開設、店舗の新築移転、建て替えなどを契機とした営業活動の強化、地元企業の資金需要の積極的な取り込みなどで、持続的に増加。本業の収益を示すコア業務純益は07年3月期の42億3500万円から22年3月期は110億4100万円と2・6倍になった。バルクセール(まとめ売り)による不良債権のオフバランス化を積極的に行っており、不良債権比率は07年3月期の5・72%から1%台に。自己査定の厳格化も進めており、引当を厚くしている。
 山本理事長は「JCRの格付は全国254信金、145信組の中でトップタイとなり誇らしい。2〜3年後にA+見通しポジティブ、その次はAAを目指したい」と話している。