「 ブロッコリースーパースプラウト」品種改良
有用成分の含有量1 . 7 倍に向上

村上農園

 スプラウト(発芽野菜)で全国トップの村上農園(佐伯区、村上清貴社長)は、主力商品「ブロッコリー スーパースプラウト」の品種改良によって有用成分「スルフォラファン」の含有量を約20年前の発売時に比べ約1・7倍に増やした。6月から含有量を記載する新パッケージに変え、順次出荷する。
 米国ジョンズ・ホプキンス大学医学部で開発された高成分野菜で、国内では独占ライセンス契約を結ぶ同社だけが生産している。もともと高濃度だった同成分の含有量を発売当初の100㌘当たり258㍉㌘から同428㍉㌘に高めた。一般的なブロッコリーの20倍以上に当たる。成分濃度に大きく関わる原料種子に約20年にわたって品種改良を加え、現在は第4世代を同社専用の契約農地で生産。野菜を育てる植物工場には科学的なデータに基づく栽培方法を導入し、光や温度、水などの環境を徹底管理する。またスルフォラファン研究所と米国の検査機関で定期的に成分含有量をチェックしている。
 2019年12月期決算はブロッコリースーパースプラウトの好調が全体を底上げし、前年比8・3%増の売上高107億1900万円を計上。消費者の健康志向が高まる中、肥満や老化、疾病に対する効果が注目され、出荷量がここ6年で約6倍に伸びている。今秋、山梨県北杜市明野町に新たな生産拠点「スーパースプラウトファクトリー山梨」(敷地約9470平方㍍に延べ9480平方㍍)の開設を予定。宮城県黒川郡大郷町でも年内にさまざまな商品を生産する新拠点(敷地6万487平方㍍に1期は温室1万4000平方㍍・作業棟1600平方㍍)を稼働するなど、生産体制の強化を急ぐ。