地域観光促進へ
ツアー造成に注力

これからの観光を聞く mint 石飛 聡司社長

 自転車ツアー「sokoiko!」スタートから3年目を迎えた2019年には参加者が年間1000人を超えた。県内外でFC展開にも乗り出すなど、外国人向けサービスで成長していた。しかし、新型コロナで利用客が前年比95%減に。現状打破する取り組みについて聞いた。

-広島の観光の課題は。

 国内向けなどにシフトし、新規客を開拓しています。県内外の修学旅行生向けのオンラインツアーや国内観光客向けのツアーを実施。このほか地域の観光コンテンツ造成のアドバイザーとして、自治体などから依頼を受け、料理体験や寺泊体験など県内を中心に瀬戸内地域の商品づくりに注力。もてなしポイントやサービスなどのこれまで培ったノウハウを生かしています。インバウンド再訪に向けて、各地域での商品づくりと情報発信を続けます。

-商品造成のポイントは。

 ツアーは地域ごとにテーマを設定し、ストーリーやメッセージを伝えています。21年3月に北広島・津和野(島根)・長崎でも開始予定。例えば、江戸の文化財や城下町などで有名な津和野は「save the time」をテーマに、昔の風景を現代に残して守ることを選択した強さや、地域の絆を伝える。そこにしかない魅力の発掘と心に響くツアーで、約2時間映画を見ているような感覚で参加してもらえます。僻地でも行きたくさせるような存在を目指しています。 

-サイクリングの需要が伸びています。

 自転車は屋外なので感染のリスクが低く安心感がある。移動自体が旅というのも魅力。都市型観光から地域の観光に関心が高まっている今、まさに自転車はチャンスです。地域を巡ることで、町の名前の由来や特産品・人を知り、口コミやリピーターにつながる。自転車×散歩の「ポタリング」を老若男女に気軽に楽しんでほしい。

【プロフィール】
2014年設立。ウェブデザイン、観光事業などを手掛ける。16年からインバウンド向けの自転車ツアー「sokoiko!」を開始。