復建調査設計 カーボンプライシング事業を強化
藻場調査の水上ドローン、分析技術の開発も

復建調査設計株式会社

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 建設コンサルタントの復建調査設計(東区光町、藤井照久社長)は、CO2の排出に課金し削減を促す「カーボンプライシング」に関連する事業を強化している。特に、海洋の藻場や干潟がCO2を吸収・貯蓄するブルーカーボンに注力。吸収量を算定する技術や計測用の水上ドローンを開発し、基礎調査からJブルークレジット活用に至る一連のコンサルティングに取り組む。

 5月に、GX推進センター内にカーボンプライシング推進室(三戸勇吾室長)を設置した。本業で環境分野の調査・評価などを長く手掛け、培ったノウハウを生かす。自治体や企業などを対象に、藻場の再生を含むプロジェクトの計画立案から、CO2吸収量の計測・評価、事業の収益計算、クレジットの申請支援、地域への環境価値の還元方策の検討まで総合的に支援する。これまでに全国で10件ほどの案件に携わり、継続して引き合いがあるという。

 自社で関連技術や機器の開発にも着手。安価で効率的な水域環境の観測を行う水上ドローンを広島大学、ルーチェサーチ(東区)、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所と共同開発したほか、同ドローンや衛星画像を使った分析技術の研究も進める。こういった技術・機器の提供・販売にも乗り出す計画だ。

 政府は2026年度から、CO2排出量が年10万㌧以上の企業に排出量取引への参加を義務付ける。CO2吸収源の創出と利活用に関する需要はさらに拡大すると見込む。CO2を回収・利用・貯留する「CCS・CCUS事業」にも領域を広げる構想を描く。

「広島経済レポート」2025年9月11日号掲載記事より