カフェや居酒屋中心に全国30店
食とデザイン強みに店づくり

スタッフの想いを主体とした店舗運営

　東京、愛知、広島、福岡、宮崎で事業を展開するコンプリート・サークル。主軸となる飲食業は、広島・東京で人気を誇る「ＳＵＺＵ　ＣＡＦＥ」、東海版ミシュランに掲載された本格イタリアン「パンタグルエリコ」、地産地消を売りにした居酒屋ほか、ラーメン、薬膳餃子、鉄板焼きなど、業態も多岐に渡る。
　アパレル事業も展開し、オーダースーツを扱うＪｅａｎ Ｐａｂｌｏは固定客の多い人気店。北海道のアンテナショップ「ほっかいどうマーケット」などリテール事業も含め、全国に30店舗を直営している。

社員の主体性を軸に店舗運営

　飲食事業の中核ブランド「ＳＵＺＵ　ＣＡＦＥ」は店ごとにメニューや装飾が異なる。現場のスタッフが、やりたいと思ったことを実現することで、各店舗のオリジナルカラーを出している。「若いスタッフが多い会社で、誰でも活躍できるチャンスを設けています。のびのびと働ける環境を提供できるよう、店舗運営はなるべくスタッフに任せています」
　こうした店作りの原点は、開業当初にさかのぼる。１９９６年に、わずか６坪ほどの小さなショット・バーから始まり、その後、カフェ業態に参入。「『おしゃれでかっこ良い』『自分自身が行きたい』と思える居心地の良いお店が作りたかった」と内田社長。当時の想いは社風として受け継がれ、働くスタッフ自らの「想い」を「行動」によって形にできる場として、社員のやりがいにつながっている。「ゲストがワクワクするような空間と時間を提供したい。そして、スタッフにはそこに関わることにワクワクし、お店で働いている自分を好きになってほしい」

多様性を尊重した人材採用

　創業以来、人物重視の採用を行ってきたコンプリート・サークル。「多様性を受け入れ、新たな価値を創造する」という理念のもと、最近では外国人採用にも積極的に取り組んでいる。ベトナム人スタッフと日本人スタッフが共同で考案したベトナムのつけ麺「ブンチャー」は、ＳＵＺＵ　ＣＡＦＥパルコ店の人気メニューとなり、スタッフは次のメニュー開発にも意欲的だ。
　今後も国籍にかかわらず、さまざまなバックグラウンドや経験を持つ人々を積極的に受け入れ、多様な視点やアイデアを生かして新たな価値を創り出したいと考えている。

多様なサービスで成長 今後はＭ＆Ａを積極化

　これまでに構築してきた〝多方面からのサービス力〟を強みに、さらなる企業成長を目指している。業容拡大に向け、Ｍ＆Ａも進めており、昨年度は福岡県で宮崎地鶏のもも焼きを扱う居酒屋を取得した。内田社長は「Ｍ＆Ａは、双方のブランドや培ってきたノウハウ、教育や管理システムを融合することで、相乗効果が生まれ、より持続的で力強い成長を実現できる手段の一つだと考えています」と話す。
　フード、ファッション、アート、音楽といった日常生活と密接に関係した領域で、時代に合わせ、さまざまな工夫を凝らし成長してきたコンプリート・サークル。「ひとりひとりが輝く場所をつくり、ひとりではできないことを全員で成し遂げる」という事業コンセプトのもと、店づくり・会社づくりを進める。

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