中国ビジネス35年の専門家に聞く
最新の現地動向、市場の歩き方
ひろしま産業振興機構
中国市場に展開する広島県内企業にとって、現地の不透明な情勢は大きな懸念材料となる。そこで、2003 年から24年まで20年にわたり当財団上海事務所の運営に携わり、実質的な責任者として活動してきた「海外ビジネスパートナー」の遠藤誠氏にインタビューを行った。メディアの断片的な情報からは見えてこない、凄まじいスピードで進化を遂げる中国の最新動向を話してもらった。

遠藤 誠 氏
「百聞は一見に如かず」現地で触れる技術革新
遠藤氏は、中国ビジネスを模索する初心者こそ「まずは上海や深セン等のイノベーションの先端地域をその目で見ておくべきだ」と説く。最新テクノロジーの社会実装が進んでおり、例えば上海では、特定の条件下で完全無人運転を行う「レベル4」の自動運転タクシーが、エリア限定ながら数百台規模の実証運行を展開している。時速50~60キロで安全に走行し、商用化に向けたテストが進む。遠藤氏自身も試乗を体験したが、複雑な右左折も問題なくこなし、正確に目的地まで到着したという。また、顔認証はもとより、そうした3D技術を駆使したAI無人コーヒー機が登場し、客の顔をラテアートとして描き出すロボットサーバーによるラテを体験。こうした光景は、実験段階ではなく実用レベルに達しており、インフラとAIが高度に融合した都市づくりが進んでいるのを感じたという。

上海を走る完全無人自動運転タクシー

AIコーヒーマシンで提供されたラテ
日本ブランドへの根強い支持と熱量
一方で、消費市場における日本ブランドの存在感も依然として圧倒的という。現地では日本食チェーン「スシロー」が、午前10時半の開店直後から長蛇の列をつくるほどの人気。円安の影響で高品質な日本製品が手に取りやすくなっている側面もあるが、それ以上に「日本の品質」に対する信頼は強い。
こうした現地の熱量は、実際に足を運ばなければ実感できない。広島銀行が上海で開いた交流会「ひろぎん上海広友会」でも、参加した約130人の経営者等の多くが「実際に現地を見なければ分からなかった」と口をそろえた。
遠藤氏は、現地でのビジネス活動への不安を払拭する唯一の方法は、メディアやインターネット上の不確かな情報に惑わされず、現地に根を張る専門家が持つ「生の一次情報」に触れることだと話す。
「市場の不確実性は今後も消えることはない」と言う遠藤氏。しかし、現状を正しく理解し、一つひとつの課題をプロの知見でクリアしていくことで、中国市場は「リスクの場」から「成長を担う不可欠なマーケット」へと変わる。
3月18日には遠藤氏が来広し、「どうなる!?これからの中国ビジネス」と題したセミナーと個別相談会が実施される。積極的な情報収集の場として活用してほしい。
■ 公益財団法人 ひろしま産業振興機構 国際ビジネス支援センター
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