シモハナ物流 26年3月期に売上700億円突破へ
物流網の拡充と人材確保・育成が奏功
シモハナ物流株式会社
食品物流で大手のシモハナ物流(坂町横浜中央、下花実社長)は、2026年3月期の単独売上高で700億円突破を予想する。10年前から2倍の規模となり、5期連続で過去最高を更新する見通し。物流網の拡充と人材確保・育成が奏功。全国の卸・小売業で販売が増加傾向にある冷凍品の需要などを取り込んでいる。以降は当面、年5%の成長を目指す。
24年2月にさいたま市で関東5棟目となる大型の汎用物流拠点(延べ床3万6350平方㍍)を稼働したほか、4月に福井市、5月に北九州市で特定の荷主専用の拠点を設けた。今年11月には大阪府高槻市で三つ目の物流拠点を稼働予定。現在は関東〜九州に60拠点を構え、23年4月にM&Aで全株式を取得したスリーエスアンドエル(石川県金沢市)を含め72拠点がある。荷主の物流情報システム構築から在庫・受発注管理、物流センター運営、配送管理を包括的に受託する「3PL」を積極展開している。常温・冷蔵・冷凍・超冷凍など多温度帯に対応した設備と、荷主の手間やコストの削減につなげる提案力が強み。引き続き関東・中京・関西を中心に拠点開設の用地を探す。拠点は自社保有が主体だが、建築費などの上昇を考慮して賃借も検討。築年数が経過した拠点の設備更新も進めていく。
各拠点では倉庫作業の自動化やパレットの荷物積み付けロボット、無人搬送車、夏場に暑くなる常温倉庫の空調設備などを導入。これらの機械化やシステム化で業務効率を高めており、年間休日数の拡充や福利厚生と相まって人材採用につなげている。4月時点の従業員数は前年同月比315人増の8088人(パートなど含む)。
25年3月期の単独売上高は前年比9・6%増の672億円を計上した。コロナ禍からの人流や荷動きの回復を受け、全般に受注が好調。新拠点も軌道に乗せた。スリーエスアンドエルと合わせて712億円。継続的に増車しており、4月時点で1832台を保有する