新興国マーケットに照準、海外売上比率40%へ
国内で培った技術を生かしグローバル展開を加速

株式会社ジェイ・エム・エス

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 国産初の薬剤調製・投与クローズドシステム「ネオシールド」が好調に推移している。がん治療に携わる医療従事者の安全や健康リスクに着目して開発した。抗がん剤は健康な人の細胞にも影響を及ぼし、曝ばくろ露対策が必要。「ネオシールド」は医療機器開発で培った閉鎖系技術を応用し、薬剤を安全で簡単に取り扱うことができる。曝露防止用に閉鎖式薬物移送システムの使用を促す動きが国内外で高まっている。ニーズに迅速に対応できる国内生産を強みにラインナップを拡充するとともに、今後は海外へもアプローチしていく。
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顧客起点で事業を推進

 医療現場の課題解決を事業の推進力に、輸液・栄養、透析、外科治療、血液・細胞の4領域の製品を扱う。製品領域を広げる方針で、摂食嚥下関連の市場創出にも乗り出している。健康寿命の延伸に貢献する領域で、広島大学大学院と共同開発した「JMS舌圧測定器」は、食べて、飲み込むことが困難な人の検査や機能訓練用で国産初。小型・軽量化も図った。既に歯科診療の保険適用を受け、さらに医科領域への適用も視野に入れ、舌圧検査の普及促進に取り組んでいる。〝口から食べる〟を健康の原点と捉え栄養療法のトータルコーディネーターを目指す。
 得意とする閉鎖系技術を適用し、血液浄化療法に特化した「ツインシールド」を拡販。簡単な操作でカテーテルと血液回路を安全に接続し、感染・医療事故を防ぐ。透析操作の一部を自動化し、多様な透析が選択できる新型透析装置「GC―Ⅹ01」と併せ、安全な透析医療と患者のQOL向上をサポートする。

加速するグローバル展開

 2020年3月期売上高620億円、営業利益25億円を掲げる中期経営計画GAIN2020は、全社的な生産性向上と合わせ、医療現場の声を生かす顧客起点の事業推進を基本方針とする。機構改革も行い、戦略を迅速に進める組織も整えた。  医療費抑制政策が続き、医療機関のコスト要求も強まる中、事業環境は厳しい。海外展開を成長戦略の柱に据え、国内で培った技術やノウハウを生かしながら、現地企業とのアライアンスなどを促進して市場を開拓し、海外売上比率を35%(19年3月期)から40%に引き上げる。奥窪社長は、「新興国の医療ニーズは大きなビジネスチャンス。現地に直接踏み込んだマーケティングにより市場ニーズをしっかりと捉え、顧客起点の事業展開を推し進める」として、マーケットをにらんだ生産の最適地化を急ぐ。
 アメリカ、ドイツに続く販売拠点として、タイに合弁で「JMSヘルスケア・タイランド」を18年4月に設立。透析領域の血液回路や透析用針などの販売を開始した。タイ市場を皮切りにASEAN市場へ広げていく。中国では、効率的で安全性の高い日本式透析システムを14年から現地市場へ展開。評価を受け、19年は北京・上海・大連の主要都市の大病院など導入先は20カ所以上に。16年春に操業開始したフィリピン工場も順調に稼働。「生産体制を再編しながら最適生産を進め、グローバルな競争力を強化する」と奥窪社長。
 ものづくりと合わせ〝コトづくり〟を強化。現場が気付いていない価値を提案する。広島大学のバイオデザイン講座に参画し次世代に向けた医療機器の研究開発を推進中だ。

会社概要

株式会社ジェイ・エム・エス
本 社:広島市中区加古町12-17
設 立:1965年6月
資本金:74億1101万円
売上高:580億円(2019年3月期連結)
従業員数:1629人(グループ総数6417人)
事業内容:医療機器、医薬品の製造・販売、輸出入
T E L:082-243-5844
U R L:http://www.jms.cc/

※2019年8月当時の情報です。