Vol.1 1級土木施工管理技士~土木工事の施工管理を手掛ける現場監督~[錦建設株式会社]

【広島商工会議所】地場建設産業の担い手に聴く!

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地域インフラ整備 ・ 維持の担い手であり、地域社会の安全 ・ 安心の確保を支える国土・地域の守り手でもある建設業は、我が国の基幹産業として重要な役割を果たしています。建設現場の最前線で活躍されている様々な職種の建設職人や技術者にスポットを当て、地場建設産業の魅力の一端をご紹介します。(広島商工会議所建設業部会)

1級土木施工管理技士 錦建設株式会社 土木部 工事主任
土居弘幸さん

―自己紹介をお願いします。 入社して6年、28歳です。高校は土木科でしたが、大学は土木ではなく、環境関連の学部で水質などを勉強しました。水質の知識が土木の世界で役に立つ場面もないわけではありませんが、土木の世界では施工管理等の資格がないと仕事になりません。
土木施工管理技士の資格には、1級と2級があります。大学で指定学科を学んでいれば卒業後の実務経験年数が1年以上で2級を、3年以上で1級を受験できます。僕は土木の専門課程ではなかったので、入社後2年目に2級を、4年6カ月後に1級の取得と、少し時間がかかりましたが、土木の専門課程卒ではない人間としては、最短です。 
僕のように土木科を出ていない人間でも、1級土木施工管理技士にはなれます。会社で仕事をし、経験を積みながら、やる気を出して勉強すれば資格取得は夢ではありません。

―土木施工管理技士とは、どういったことをするお仕事ですか。 道路、トンネル、河川、橋、ダムなどの土木工事で、協力業者への連絡や材料の発注、工程管理、品質管理、安全管理なども含めた工事の進捗管理を行い、関係協力業者の方に指示を出す、いわば土木工事の現場監督です。
1級と2級の資格の主な違いは、1級は監理技術者として大きな土木工事の施工管理、2級は比較的小規模な土木工事の施工管理を行います。

―1級土木施工管理技士を目指したきっかけを教えてください。 僕は尾道市瀬戸田町の出身です。小さいころ、近くでしまなみ海道のサイクリングロードが整備されていて、そこで動いている重機が好きで、重機に乗って仕事をするのが夢でした。今、自分が重機を直接扱うことはないですが、大好きだった重機に関われる仕事で、その意味では子どものころからの夢がかないました。
この仕事では、資格が必須ですが、2級では任される仕事の上限があります。1級を持ってこそ現場監督としての力を発揮できます。1級が取れて、やっと皆と同じスタートラインに立てたと思っています。

―入社後は、どのような仕事を経験しましたか。 安芸区上瀬野のバイパスの43mの橋脚工事、災害の砂防堰堤工事を経て、3年目で初めて下水道施設の防食工事現場の所長を一人で務めました。仕事を全部任されるのは、しんどい面もありますが、この時に初めて『この仕事は楽しいな』と思えました。
まだ、経験も少なく多くの失敗もあるのですが、工期も短い中でいろんな人たちと話したり、考えたりしながら、自分が頭となって進めていくことができて、良い経験にもなったし、やり切った感が非常にありました。2級を取得してすぐの若い時にこういう経験をさせていただけて、すごく恵まれていたなと感謝しています。
その後、安佐町筒瀬のトンネル建設工事、豪雨災害の県の災害復旧工事などを幅広く経験し、現在は安佐南区の麦谷道路改良工事に携わっています。

―仕事上の苦労などがあれば教えてください。  一緒に仕事をするのは、一回りも二回りも年上の人ばかりです。そういった人達とどうやってコミュニケーションをとるか。僕の場合は、釣りと野球という趣味を介して関係づくりをしました。また、若いとつい遠慮しがちですが、間違ってもいいので思うことは言うように心掛けました。友好関係を深めていれば、自分が困った時にその人達が助けてくれます。

―仕事に興味を持った方へのメッセージなどがあればお願いします。 仕事が完成した時に「きれいに仕上げてくれてありがとう。次の工事もまたやってくれないか」と言われたり、協力業者の方から一緒に仕事をしたいと言われると、嬉しくて、また頑張ろうと思います。人とのつながりから生まれる喜びもあり、後々まで残る仕事でもあり、家族に自分の仕事を見せて自慢することもできる、そんな仕事です。

 

会社概要

錦建設株式会社 所 在 地:広島市中区国泰寺町2-5-4
事業内容:総合建設業
創  業:1947年1月

(2020年10月現在)
情報提供:広島商工会議所 産業・地域振興部 産業振興課