交通機関
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観光客減少や外出自粛が響く
安全な公共交通PR、乗車機会の創出へ
コロナ禍による観光客の減少や不要不急の外出自粛を受け、全ての公共交通事業者が苦境に立たされている。中国運輸局が行った2020年度のサンプル調査で、各事業者の前年度からの収入の減少幅は高速バスが8割、貸切バス7割、生活路線バス3割、JR西日本5割、新幹線6割、旅客船2〜4割、タクシー3割だった。
国や自治体からのコロナ対策補助金があるものの、地場大手の広島タクシーが21年度に廃業するなど、抜本的な改善の道のりは遠い。業界を挙げて徹底した安全対策の周知に力を入れており、マイカーではなく公共交通を使ってもらえるよう意識の醸成を急ぐ。
空の便も厳しい状況にある。県の統計によると20年度の広島空港の国内線搭乗者数は前年度比72・6%減の73万1186人。国際線は全便欠航により通年で搭乗者が一人もおらず、1993年の開港から最低の合計搭乗者数(同75・4%減)だった。21年7月の民営化に伴う運営会社に出資する広島電鉄は、広島全体の交通機関や街の機能、イベントなどを連携させることで、乗車機会そのものの創出を目指す。街の魅力向上も図り、人を呼び込む考え。
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広島電鉄