電車を走らせて110年
広島のワクワクを創造する

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利便性向上や新事業創出に注力

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 路面電車やバスの運行に加え、不動産や建設、流通、レジャー・サービス業など幅広い領域で県民の生活を支える。2022年11月に創業110周年を迎えた。23年3月期はコロナ禍で抑制された公共交通の利用者も8割ほどに回復。営業・経常損失の縮少と特別利益の増加により、2期ぶりの黒字を計上。23年5月には、26年3月期までの中期経営計画を策定。「広島のワクワクを創造する」をグループの旗印(パーパス)に、経営戦略として「安全・安心なサービスの提供」、「交通サービスの価値向上」、「新たな収益機会獲得への挑戦」、「人材の育成と働く環境の整備」、「安定した財務基盤の確保・強化」、「SDGs、ESGの推進」の6項目を掲げ、重点的に取り組む。

より便利で使いやすい 新たな公共交通への進化

 地域密着型の交通機関として、22年は▽広島市内中心部の路面電車、バスの均一運賃エリア拡大▽路面電車と7社のバスで利用できる「デジタルシティパス」など利便性の高い乗車券の発売▽広電宮島口駅の移設といった取り組みを実施した。
 24年10月からは新乗車券サービスの運用を開始予定。QRコードや新たな交通系ICカードなどを認証媒体とするABT方式のシステムを開発中。新システムでは、スマートフォンからのチャージや定期券購入等のほか、柔軟な運賃制度への対応、システム全体の低廉化を図ることで、利便性が高く持続可能な交通サービスの実現を目指す。
 25年春にはJR広島駅ビルの2階広場に路面電車が乗り入れ、駅前大橋ルートの供用が始まる。JRの電車からの乗り換え時間は74秒、広島駅~八丁堀間の乗車時間は約4分短縮。定時性やアクセス時間の改善で、広島駅周辺と市内中心部の回遊性やにぎわいづくりに貢献する。

収益構造の偏り改善

 23年3月期の連結売上高のうち約65%は運輸業が占めており、コロナ禍でグループ全体の収支に大きな影響を及ぼしてきた。社会変化に強い事業構成をつくるために、▽安佐南区大塚西の大規模住宅地「西風新都グリーンフォートみそら」の開発▽新サッカースタジアム隣接の中央公園広場等整備・管理運営事業への参画等のまちづくり事業を推進。22年には複数のスタートアップ企業と共同で実証実験を行うなど新規事業創出にも取り組む。不動産業を中心に各事業の投資を強化して、25年度までに運輸業の売り上げ比率を58.9%に改善し、リスク軽減を図る。

人材育成や労働環境整備

 独自の「人財ビジョン」に基づいて、多様な能力や幅広い視点を持つ人材を育成し、イノベーションの創出を目指す。社内起業家育成プログラムや出向企業制度により、社員が新たな領域に挑戦しやすい環境を整備しているほか、広島県リスキリング推進宣言も実施し、全社的なDX推進や社員のスキルアップ、IT人財の育成に取り組んでいる。
 働きやすい環境の整備にも注力。従業員の多様な働き方やワークライフバランスの充実を後押ししている。短時間正社員制度を設け、育児や介護などライフスタイルが変化した従業員が正社員のまま労働時間を選択可能とするなど、安心して働ける環境づくりに取り組んでいる。



会社概要

広島電鉄株式会社
本  社:広島市中区東千田町2-9-29
設  立:1942年4月
資 本 金:23億3562万円
売 上 高:274億5000万円(2023年3月期連結)
従業員数:1627人(2023年3月末現在)
事業内容:鉄・軌道、バス、不動産、流通、建設、レジャー・サービス業などをグループで手掛ける
T E L:082-242-3521
U R L:https://www.hiroden.co.jp/
※2023年9月当時の情報です。