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造船

造船:
中国地方の造船受注低調続く
コロナ禍で投資意欲が減退

 2020年度上期(20年4~9月)の中国地方の新造船受注量は、重量ベースで前年同期比55・6%減の32万5000総㌧となった。隻数では48・9%減の23隻。中韓との受注競争激化に加え、コロナ禍での投資意欲の減退などが影響した。ポンプやタービンなど舶用工業製品の生産高は、前年同期比18・6%減の779億円。
 現在、世界で新造船の供給過剰が続いており、中韓勢が先行して国内統合で巨大化。安値受注などで攻勢をかけ、日本勢は苦境に立たされている。こうした中、日本の造船各社も販売力の強化や高効率な生産手法を求めて再編の動きを加速。21年10月、常石造船(福山市)は三井E&Sホールディングス(東京)子会社で経営再建中の三井E&S造船(東京)の株式49%を取得し、商船事業の連携を深めて競争力強化を図る。20年には、国内造船首位で広島にも工場を持つ今治造船が同2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)に出資する形で資本業務提携し、環境対応の船舶の開発や営業面での連携を強めている。競争が激化する中韓勢に対抗するため、今後さらなる大規模な再編が予想されている。