地域発信をより重層的に
デジタル化促進、読者層の開拓

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「地域応援企業グループ」へ挑戦

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 中国地方を代表する有力地方紙。朝刊と、国内外の話題をやわらかく伝える「中国新聞SELECT」を発行。近年はウェブサイト「中国新聞デジタル」での発信にも力を入れる。
 広島、備後、防長(山口)の3本社を中心とした取材網を生かし、地域密着のニュースや話題を届ける。特に注力するのが反核・平和報道。被爆した新聞社として、「世界平和の確立」を社是に掲げ、核兵器の廃絶や戦争のない世界の実現を目指して報道活動を続ける。
 2023年5月に広島市であったG7サミット(先進7カ国首脳会議)では、各国首脳の動きをはじめ、復興史や核を巡る被爆地の視座を日々の記事や特集で報じた。重点報道では、特殊詐欺の実態に迫る連載「仮面の罠」を22年12月から展開。太田川とその流域の情景と人々の暮らしを切り取った写真連載「太田川 恵みと営み」は22年度の新聞協会賞を受賞した。存続が危ぶまれるローカル鉄道の行方を考える企画「鉄路のあす」にも引き続き力を入れる。

疑問・不安に〝こたえる新聞〟

 近年は総合メディア企業としてデジタル領域で事業を広げる。「中国新聞デジタル」やカープ公式アプリ「カーチカチ!」をはじめ、21年秋から広島の暮らしと仕事に役立つ話題を、画像を豊富に使って伝える「中国新聞 U35」をスタート。20〜30代の記者が中心となり、読者と双方向の関係を築き、取材の裏話なども届けることで新しい読者層の開拓を進める。ICT教育に活用してもらおうと、子ども向けのサイト「ちゅーピー子どもウェブ ぶんタッチ」も立ち上げた。24年の開設に向けて、利用者の疑問不安に〝こたえる新聞〟をコンセプトにした、ニュースアプリの開発も進められている。
 23年3月には「デジタル営業推進本部」を創設した。部署を越えて連携し、デジタル商品の開発からコンテンツ制作、販売までの戦略を練る。販売局内に「デジタル営業チーム」も新設し、販促に一層力を入れる。

社内ベンチャー制度を始動

 地域のにぎわい創出へ、PFI案件に積極的に参画している。平和記念公園内の被爆建物レストハウスの運営を皮切りに、23年春に広島市の旧市民球場跡地に開業した「ひろしまゲートパーク」の運営を担当。24年夏にオープンする中央公園広場エリアの整備・管理にも参画している。「ひろしまフラワーフェスティバル」、全国47都道府県の代表ランナーが力走する「ひろしま男子駅伝」など大型イベントの開催にも携わる。
 新規事業の創出に向けて新たな取り組みも始まっている。22年秋から、グループ各社を含めた社員やスタッフからアイデアを募る社内ベンチャー制度「中国新聞グループ 新事業・ミライ創造プログラム ミラツク」を始動。起業支援の専門家のサポートを受けながら、社員たちが提案した事業案の実現を試みている。ボトムアップの象徴的な事例となっている。
 「確かな情報でこのまちを守り、力づけ、おもしろくする」。22年1月、企業理念として発表したミッション(使命)である。若手・中堅社員が話し合いを重ね、策定。このミッションの実践によって、報道機関から、さらに視野と領域を広げた「地域応援企業グループ」に進化するため、挑戦を続けていく。



会社概要

株式会社中国新聞社
本  社:広島市中区土橋町7-1
設  立:1892年5月5日
資 本 金:3億円
売 上 高:189億8594万円(2022年12月期)
従業員数:402人
事業内容:日刊新聞の発行
T E L:082-236-2111
U R L:https://chugoku-np.com/
※2023年9月当時の情報です。