尾道から世界へ、業務用洗濯機の国内トップメーカー
株式会社山本製作所
2027年売上高100億円目指す
業務用洗濯機やコインランドリー用機器、リネン業界向けロールアイロナーなどの製造・販売を手掛ける。業務用洗濯機で国内トップ級の生産台数を誇り、ドライ機部門では約50%の国内シェアを維持する。
創業は1947年(昭和22年)。「真似るより真似られるようなマシンを創る」という信念で独自の技術を開発してきた。ほぼ全ての加工部品を自社生産し、競争力の源泉とされる内製化率は96%を占める。他社に依存しない生産体制を築くことで、滞りのない半永久的な部品供給と価格競争を可能にしている。顧客が安心して長い期間、製品を使用できる「フォー・エバー・マシン」という独自の価値を提供する。
営業が市場のニーズや要望を開発担当者にフィードバックし、企画~構想~設計~試作~完成の全製造プロセスに関わる開発手法を採用。オフィスと工場、顧客のもとを行き来しながらモノづくりに取り組むことで実践技術が向上し、顧客のニーズに沿った製品開発を可能にする。
業界初のランドリー機
2017年にスマートフォンと連携できる業界初のランドリー機「スマートランドリー」を開発。専用アプリを使って空き状況確認や機器の扉の施開錠、キャッシュレス決済、領収書発行などに対応する。洗濯の終了通知のほか、利用回数に応じてポイントが付く仕組みも整え、顧客利便性を飛躍的に向上させた。IOT技術の活用は、ランドリー経営者にも大きなメリットがある。不特定多数だった顧客層や稼働状況の分析、アプリを通じたセール情報発信など、これまで難しかったマーケティング活動を可能にした。
成長を支える生産基盤
2019年1月に従来の工場に隣接して新工場を稼働。日本を代表する工作機械メーカーのアマダ社にとっても世界初という複合ラインを導入するなど、最新鋭の設備・ 機器によって生産効率が格段にアップした。また、21年5月には水洗機組立ラインと各種部品のピッキングを効率化する自動倉庫が入る工場を増設。将来の工場増設用地(約 1万6500平方㍍)もすでに確保しており、死角のない成長戦略を描いている。
世界トップメーカーへ
創業80年を迎える2027年に売上高100億円を当面の目標に掲げる。国内市場で70億円程度までの成長を見込んでいるが、大きなチャンスをつかむための最大の戦略が海外展開だ。
海外市場向けの製品開発や販路開拓、生産設備の拡充など、約10年かけて世界で勝負できる体制づくりを進めてきた。特に最大のマーケットである米国では、12年にカンザス州に現地法人を設立し、米国向け製品の開発や全米を網羅する代理店ネットワーク構築に注力している。毎年、着実に売り上げを伸ばし、米国での売上高はここ数年で倍増。今後も米国市場での売上高は毎年5割増を見込む。アジアやヨーロッパ市場開拓に向けた準備も盤石だ。18年にフランスに現地法人を設立し、20年からはスウェーデンの大手サプライヤーへのOEM供給がスタート。アジアでもシンガポールやマレーシア、香 港、インドへと代理店開拓を進めている。尾道から世界へ、他の追随を許さないブランド構築を目指す。
会社概要
株式会社山本製作所
本 社:尾道市長者原1-220-19
設 立:1956年7月(創業1947年4月)
資 本 金:1億円
売 上 高:52億1500万円(2021年12月期)
従業員数:195人(2022年4月現在)
事業内容:業務用洗濯機全般の製造と販売
T E L:0848-48-5300
U R L:https://www.onomichi-yamamoto.co.jp/
※2022年8月当時の情報です。