本社改装、デジタルオフセット導入
印刷のプロと対話できるオフィス開設

中本本店

 印刷・企画・デザインの中本本店(中区東白島町13-15、中本俊之社長)は、クリエイター(顧客)が同社の営業スタッフだけでなく印刷技能士などの〝印刷のプロ〟と直接対話できる場を設け、アイデアやイメージの表現を支援する新サービス「インサツビト」を近く始める。本社1階を改装し、同名のオフィス約96・5平方㍍を開設。最新のデジタルオフセット印刷機「インディゴ7K」を初導入し、打ち合わせしながらその場で確認作業や色調整ができる。従来のオフセット、オンデマンド印刷と併せ、最適な印刷方法やインキ、紙を提案していく。
 消費者の趣味嗜好の多様化を受けて販促物や企業広告、商品パッケージなどのデザインに一層の工夫が必要になり、営業職だけではデザイナーが抱える印刷表現の悩みを解決しづらくなってきた。新サービスでは国家資格・印刷技能士1級などの有資格者やプリプレス(印刷前工程)のオペレーター、同社クリエイティブ部門「LIGHTS LAB」のスタッフらが商談に参加。紙、インキ、印刷機、印刷データ制作など多岐にわたる知識を生かす。同オフィス内に設置したデジタルオフセット印刷機は、版で同じ内容を転写するオフセット印刷と同等の質感を保ちつつ、版を作らないため少部数の印刷や試し刷りがしやすい。多彩な特殊インキと特殊紙にも対応。打ち合わせで顧客ニーズをくみ取りながら試行錯誤し、高品質大量印刷のオフセット、一枚一枚異なる絵柄を連続して刷ることができるオンデマンド印刷などと使い分ける。
 同オフィスは相談窓口のほか、セミナーやワークショップの会場にも使う。デザイナーが提案前に本紙色校正ができるテストプリントサービスも提供。1枚から特殊なインキと紙を試せる。いずれも会員登録無料の専用サイト(https://insatsubito.jp/)でも受け付ける。同社は「広島広告企画制作賞で金・銀賞を複数受賞してきたクリエイティブ力に加え、改めて原点である印刷のブランディングを図り、『インサツビト』と名付けた。人、場所、機械をそろえた三位一体のサービスでデザイナーやクリエイターのアイデアを形にしたい」とする。