クリエイティブな発想を追求
紙の良さ伝える取り組みも注力

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顧客や地域を巻き込んでSDGs推進

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 創業105年の総合印刷企業で、品質へのこだわりや企画・デザイン力に優れた評価を得ている。紙媒体にとどまらず、顧客のニーズに応じてウェブや動画なども取り入れ、最適な情報発信手段を提案する。

クリエイティブな発想を追求

 デザイナーやイラストレーターなどで構成するクリエイティブ部門「ライツ・ラボ」を中心に、さまざまなプロジェクトを展開している。例えば、クリエイター(顧客)のアイデアやイメージの表現を支援する「インサツビト」は、最新鋭のデジタルオフセット印刷機「インディゴ7K」を使い、一般的な機材では表現できない多彩な色を特殊紙に試し刷りするなどで顧客のニーズを形にする。クリエイター限定のイベント「OPEN HOUSE」は他県からも引き合いがあり、関東、関西、九州で出張開催。インサツビトとの「対話」から生まれた事例の紹介や、クリエイター同士の交流の場を設けて参加者の想像を膨らませる。
 手掛けた案件は県内外での評価も高い。修道中学校・高等学校創立300周年事業の寄付金募集リーフレットは、80年分の学生の写真を集め、卒業生が母校に思いを巡らせるようなデザインを採用し、2022年5月の全日本DM大賞で銅賞を受けた。24年5月の広島広告企画制作賞では、西日本旅客鉄道とJR西日本コミュニケーションズ中国支社の広告企画で、新聞・雑誌単発広告の部金賞、インターネット広告の部銀賞を受賞。今後も一層クリエイティブな発想を追求し続ける。

紙の良さを伝える

 ペーパーレスやデジタル化などで印刷需要が減少傾向にある一方、一覧性の高さや視覚的な魅力、手触りといった紙ならではの利点も多い。紙の特徴をより的確に伝えようと、中国地域創造研究センターの「質感色感研究会」に参加して写真印刷の評価実験を行い、紙の印象を5段階で評価したチャートを作成した。ベテラン社員の直感や経験に基づいて判断していた紙質による差異を、若手の営業担当者も理解し、説得力のある提案につなげる。
 紙を使った表現の幅を伝えるために、24年2月から取引先に送る請求書と一緒に広報誌「ほんとかもなんて」を同封している。普段使われることが少ない蛍光色の紙や、珍しいシルバーインキを使うなど、紙が持つ表現の幅をアピール。誌面の内容も、従業員の眼鏡や愛車紹介など、独特な企画が目を引く。

SDGsへもっとアプローチ

 21年11月にSDGs活動の推進チーム「みらい創造プロジェクトOnde(オンド)」を立ち上げた。再生紙由来のエコロジーペーパーや、CO排出量の少ないローカーボン印刷など、環境に配慮した印刷資材や技術を企業向けに提案。今後は印刷の枠にとらわれず、SDGs宣言の作成支援や実践のサポートなどのコンサルティングにも取り組む。訴求対象は顧客にとどまらない。小学校に出向き、子どもや親、教員向けにカードゲームを通してSDGsについて学んでもらう出前授業を23年に年間7回開いた。高校生やショッピングセンターと連携して、印刷用紙の切れ端をリサイクルした〝しおり〟を作るワークショップも開催。顧客や地域を巻き込んで、持続可能な社会の実現に向けた音頭を取る。



会社概要

株式会社中本本店
本  社:広島市中区東白島町13-15
設  立:1919年12月1日(創業)
資 本 金:4500万円
売 上 高:12億2779万円(2023年10月期)
従業員数:83人
事業内容:企画・デザイン・印刷・WEBサイト制作等
T E L:082-221-9181
U R L:https://www.nakamotohonten.co.jp
※2024年9月当時の情報です。