「立町カヌレ」成長続ける
東京や大阪に続々出店

東区福田から手作り菓子届ける

　デザートやドレッシングの製造・販売を手掛けるほか、洋菓子店「立町カヌレ」（広島市中区立町）を直営展開する。竹村崇社長の祖父が東広島市の西条で栗農園を個人経営したのが始まりで、その後ゴルフ場・レストランへと業態変更しながら発展。店で人気のスイーツなどをもっと多くの人に届けたいと、前社長の父が２００６年に東区福田に拠点を移し、製造業を本格的に開始した。『カスターニャ』という社名は、祖業にちなんで、イタリア語で『栗の実』を意味するという。主力の冷凍菓子「カタラーナ」は保管・輸送のしやすさに加え、凍ったプリンを溶かしながら食べる、独特の食感や味わいが好評。日本航空の国際線機内のデザートに採用されたのがきっかけで全国へ販路が拡大した。

「立町カヌレ」が好調

　17年、直接店舗で顧客との接点を持ちたいと直営の洋菓子店「立町カヌレ」をオープン。当時、広島でカヌレの専門店は珍しく、オープン当初は大行列になったという。カヌレの珍しさや見た目・形が「ＳＮＳ映え」するとして注目を浴びた。２店舗目をＪＲ広島駅ｅｋｉｅ店内に開くと、土産として県外にも広がり、事業が軌道に乗り始めた。コロナ禍でも積極的に店舗展開を進め、23年４月時点で広島のほか、東京・大阪・岡山に合計７店舗を構え、今後も主要都市への出店を進める。

協力しあう社風・体制

　立町カヌレの成長とともに、社員も増えている。製造部門ではパティシエ経験者を中心に、一つ一つ手作りすることにこだわり、カヌレはフレーバーごとに生地から作る。定番品には広島県産のレモンやブルーベリーなどを使っている。
　未経験者にもリーダーが丁寧に教育。正社員も地元出身のパート社員も、部署や立場の垣根を越え、皆で協力しあう体制があるという。竹村社長は、県外出店を進めながらも、洋菓子製造を始めた東区福田の地への感謝を常に意識しているという。「スタッフの約８割は女性で、子育てへの理解や助け合いも自然とある。今後は新卒採用に向け、制度などを整えていきたい」

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