[第二種電気工事士]電気設備を支える専門職

地場建設産業の担い手に聴く!5

vol.05 第二種電気工事士
出輪海哉さん
株式会社池久保電工社

第二種電気工事士とはどういったことをするお仕事ですか。

 戸建て住宅やマンション、店舗など、仕事の場所はさまざまですが、それらの新築やリフォームで配線図通りに屋内の配線を行って、コンセントやスイッチを取り付けたり、アース施工などを行うほか、照明やエアコンの取り付けなどを行います。
 電気工事の作業は法律で基準が定められており、有資格者しか行うことができません。まず必要となるのが第二種電気工事士という資格で、行うことができる作業は低圧電力(600V以下)の住宅やマンション、小規模のオフィス、店舗など、屋内での電気工事がメインとなります。
 第一種電気工事士は、第二種電気工事士の上位資格です。第二種に比べ、作業できる現場が増えます。作業範囲や規模が広がり、高圧電力、工場やオフィスビル・商業施設などの大規模施設で工事を行うことができます。電柱の上に登って高所作業をしたり、電力を他から引っ張ったりする作業は第一種の電気工事士資格を取得していなければできません。

―自己紹介をお願いします。

 22歳で、入社4年です。
 電気はこれからも絶対に世の中に必要なものであり、電気工事士は将来性のある職種です。そう思って、僕は工業高校の電気科に進み、2年生の時に第二種電気工事士の資格を取得しました。資格があれば、社会が不況になっても、どこにいても、この世界で生きていける。資格は、大きな強みになると思います。
 電気工事士試験は、年齢・学歴・実務経験の有無などの制限はないので、入社してから資格を取ることもでき、そういう人も多いです。僕の場合は、自分の持っている資格を生かしたかったのと、高校時代の先輩が同じ社内にいたため、当社に入社しました。職場に自分と年の近い仲間や先輩がいるのは、安心感につながりました。今は後輩もでき、彼らに助言することもあります。
 第一種電気工事士も、受験資格はなく誰でも挑戦できます。ただし、免状の交付には5年以上の実務経験が必要となるため、4年目の僕は、1年後に第一種資格の取得に挑戦したいと考えています。

―仕事上の苦労などがあれば教えてください。

 僕自身はまだ大きな事故や危険には直面したことはないのですが、高圧電力を扱うとなると、イメージとして「怖いな」とは思います。低電圧の作業であっても感電事故の危険はあり、一歩間違えると非常に危ないので、「安全第一」を肝に銘じ、常に意識して仕事を行っています。
 基本的に工事の一番最初から現場に入って、仕込みがあって、最後に建物が完成するまでずっと現場にいるのが電気工事士です。さまざまな材料も覚えないといけないし、建物の構造に合わせた施工方法を選んで作業を進めたり、次は、次は…と把握しておくことも多い。覚えることが多く、打ち合わせも多いです。

―どのような時にやりがいを感じますか。

 配線してから電気器具などが付くまでには、内装工事なども入るので結構時間がかかります。それだけに、最後に無事電気が点いた時は、「やった!」と思います。
 また、工事の現場に最初から入ってずっと現場を見ていきますから、何もなかったところからだんだんきれいに建物ができあがっていくのを見ることができるのは楽しく、ワクワクします。

―仕事に興味を持った方へのメッセージなどがあればお願いします。

 全く電気の勉強をしていない人や未経験者でも、先輩方が教えてくれるので、全然大丈夫です。知識ゼロから入ってくる人はたくさんいます。手先が器用ではなくても、興味とやる気があれば、現場で経験していくうちに自然と必要な技術・知識が身についていきます。ぜひチャレンジしてみてください。 

 

会社概要

株式会社池久保電工社
所 在 地:広島市西区東観音町12-9
事業内容:電気設備工事業
創  業:1966年1月

(2020年12月現在)

情報提供:広島商工会議所 産業・地域振興部 産業振興課