新世代商品マツダ3
防府工場で試乗体験

マツダ株式会社

 5月24日に国内発売されたマツダの新世代商品第1弾「マツダ3」。アクセラの後継車で、同社の最新技術が搭載。国内生産の全てを担う防府工場(山口県)で試乗した。

 まず気付いたのがアクセルペダルの位置。足を自然に伸ばした場所にペダルがあり、踏み込みやすい。アクセルはオルガンペダル式で、かかとを床につけ、安定した状態での加減速やブレーキペダルへの踏み換えができた。シートは背中の自然なS字カーブを維持させる構造で、疲れにくい。ハンドル位置の細かな調整などを含め、身長150㌢でも無理のないドライビングポジションだった。

 ディーゼルエンジンでも音は穏やかに聞こえる程度。車内が静かだと速度感をつかみにくく頻繁にメーターに視線を移してしまうが、フロントガラスに速度や標識が表示され、前方から目を離す危険がなかった。スピードの出しすぎを抑え、エコドライブにも貢献してくれそう。手前で十分な減速ができないままコーナーに入りブレーキ操作をしても、不快な振動を感じず、自分の運転が上手くなったかのようにスムーズに曲がることができた。車線変更もハンドル操作そのままに動く感覚。走行を終え、運転姿勢による体の部分的な疲れもない。快適だった。

 高齢者の死亡事故が多発する中、先進安全運転技術も搭載する。商品本部の別府耕太主査は、
「できるだけ前方を見て運転に集中し、適切な認知・判断につなげられるように設計した。ペダルの踏み間違い防止や、歩行者・自転車への衝突被害軽減ブレーキに加え、運転者の居眠りや脇見の警告システムなどを新たに装備している」

 国内で年2万4000台、世界35万台の販売を計画する。生産は防府工場のほか、メキシコ、タイ、中国。世界初の圧縮着火技術エンジンの搭載モデルも順次発売する。菖蒲田清孝専務は、
「来年、創立100周年を迎える。次の100年に向け、規模が大きくない当社が存続するために、決して独りよがりにはなることなく独自性を高めていく」