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株式会社北川鉄工所

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地域と共生しグローバルに事業展開

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 府中市に本社を置き、2021年11月に設立80周年を迎えた。1918年、「北川船具製作所」として創業し、木製滑車と巻き上げ機を製造。金属部品の内製化のため鋳造を始めた後、木工業から鉄工業への転換を図り、41年に「(株)北川鉄工所」を設立。旋盤用チャックの製造も開始した。戦後は建設用動力ウインチやコンクリートミキサー製造で都市の復興を支援。高度経済成長期には、クレーンやコンクリートプラントの技術が長大橋建設などの大規模インフラ整備に、チャックなどの工作機器が製造業の加工技術の発展に貢献した。現在は産業機械、工作機器、金属素形材の3事業を柱に、地域と共生しながら、グローバルに展開している。

「チャックのキタガワ」

 工作機器事業では、機械に加工物を固定する旋盤用チャックやNC円テーブルを主に製造する。旋盤用チャックの国内シェアは約6割、海外でも多くの国々で使用されている。18年開発の「BRチャック」は専用ナットを組み合わせて把握精度100分の1㍉㍍以内の高精度を実現、機械工学の最先端技術に贈られる21年度日本機械学会賞を受賞した。海外への販売網を再構築し、「チャックのキタガワ」としてさらにグローバル展開を加速させている。

 チャックの「モノをつかむ技術」を生かして産業用ロボットに取り付けるロボットハンドも開発した。加工物をつかんだ瞬間に高精度の寸法測定が可能な機種など自動化・省人化を進める技術を提供し、新たなワールドスタンダードの構築を目指す。

インフラを支える産業機械

 産業機械事業では、コンクリートプラント、タワークレーン、自走式立体駐車場などを製造する。

 タワークレーンは2021年2月に増設した甲山工場に生産を集約した。大型・小型合わせて国内トップシェアを誇るビル建設用「ビルマン」のほか、発電用風車やダムの建設に使われる特殊クレーンも展開。クレーンの3次元自動運転システムも開発し、オペレーターの疲労軽減と作業現場の安全性向上を目指す。

 コンクリートプラント用ミキサーの設計製造では螺旋型アームを採用して練り精度やメンテナンス性を向上させ、ランニングコストを削減。防錆効果に優れた溶融亜鉛メッキを施した新型プラントやセメント成分を含む排水の再利用技術など、新たな製品や技術の開発に努めている。

付加価値の高い鋳造部品

 金属素形材事業では、自動車、農業機械、建設機械などの鋳物部品を生産する。多様な製法と素材開発から加工までの一貫生産で付加価値の高い部品を提供している。自動車部品は拠点間の連携や自動化を進め、タイやメキシコなど海外にも生産拠点を構えて国内外でタイムリーに製品を提供する。EV化に対応する新規部品受注に向け、鋳造・加工の両部門で技術開発を強化している。

世界基準の成長に向けて

 同社は今後10年で約150億円を投資し、本社屋建て替えを含む生産拠点の再構築計画を発表した。特殊工作機械やUAV(無人航空機)など新事業の構築と新領域への参入にも取り組み、脱炭素社会やSDGsに向かう世界的な変化に対応して成長することを目指している。

会社概要

株式会社北川鉄工所
本  社:府中市元町77-1
創  業:1918年3月
設  立:1941年11月
資 本 金:86億4000万円
売 上 高:586億7600万円(2022年3月期連結)
従業員数:1513人(2022年4月1日時点)
事業内容:工作機械機器、産業機械、自動車部品などの製造・販売
T E L:0847-45-4560
U R L:https://www.kiw.co.jp/
※2022年8月当時の情報です。